注目のマーケティング・AIDAとは?特徴や実践ポイントを解説
AIDA(アイダ)はマーケティングの基本となる理論で、古くから実践されてきた広告フレームワークです。
「どのように商品・サービスを販売すれば良いのか」という問いに対し、AIDAは消費者の購買行動パターンからソリューションを導き出すのに役立つ手法です。
これまで成功を収めてきた企業の多くが、AIDAの理論をベースにマーケティング展開しています。
今回は、AIDAの特徴と利用メリット、実践ポイントについて分かりやすく説明します。
01AIDAモデルによるマーケティングとは
広告活動の基本として魅力的な情報発信で消費者の注意を引きつけ、購入メリットのアピールによって購買意欲を喚起します。
このマーケティングモデルをロジックにしたのが、消費者行動モデル・AIDAです。
AIDAとは、『Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲求⁾→Action(購買行動₎』の4つの消費者心理のイニシャルからなるビジネス造語です。
多様化する現代のマーケティング状況にあって、AIDAによるマーケティングは広告作成のフレームワークとして広く実践されています。
AIDAによるマーケティングの特徴
AIDAモデルは、広告・セールスの先駆者と称賛されたセント・エルモ・ルイスによって1920年代に提唱されたマーケティング理論です。
販売の基本となる消費者心理や行動パターンの把握において、最も古い実践理論とされています。
このマーケティング理論では、一般消費者が商品・サービスの情報を得てから購買意欲を抱き、購入行動へ至るまでの心理過程が明確に解説されています。
1920年の当時はテレビが普及していない時代で、実践できる広告媒体(新聞・雑誌・ラジオなど)をいかに活用し、どのようにアプローチをかけるべきかを、『Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Action(購買行動)』の4つの消費者心理で示しました。
つまり、消費者の多くが数回程度の広告確認で短期間に購買を決めた時代であり、利用メリットの理解も乏しく、他社商品との比較検討も不十分な状態で、流行に流された消費行動を取ることを主軸に構築された理論です。
なお、広告媒体の変化や消費者の生活環境の変化により、AIDAより派生したAIDMA(アイドマ)やAIDCAといったマーケティング理論も普及していきました。
AIDAとAIDMA(アイドマ)との違いとは
AIDAと同様に実践されているマーケティング理論としてAIDMAがあります。
両者はネーミングが似ていることから、よく混同されるマーケティング理論です。
AIDMA(アイドマ)は、AIDAの4つの要素にMemory(記憶)の「M」を加えた理論です。
AIDAが広告発信からテンポよく購買行動へ導くのに対し、AIDMAでは時間がたっても購入行動を喚起できる力があります。
AIDMAと AIDAとの違いは、それぞれにおける実践ポイントです。
- AIDA = 今、買ってもらう(来店してもらう)
- AIDMA =必要な時に買ってもらう(来店してもらう)
ちなみに、日本ではAIDAよりもAIDMAを採用する企業が多く見られました。
しかし、ECサイトやSNS広告が普及する現在、通販や宅配のシステムを活用して、消費者が情報を得たその時点で購入行動の訴追が可能となりました。
『今、買ってもらうための広告手法』が国内で注目を高め、AIDAの利用メリットが再び浮上しています。
AIDMAによるマーケティングの特徴
ここで、両者を使い分けるためにAIDMAについても少し理解を深めておきましょう。
AIDMAは、中長期のスパンで『速攻的集客』と『複数回の広告閲覧でファンを増やす』のに適した手法です。
この理論も1920年代に普及したもので、まだ電話さえ普及していなかった時代でも効果を挙げたマーケティング理論として評価されました。
AIDMAの特徴としては潜在的顧客を増やすことで、広告を見た後でも必要に応じて注文・購入が集まる手段を工夫します。
具体的には、広告のコンバージョンを「消費者に商品・サービスを強く印象づけること」に重点を置きます。
商品・サービスの魅力や利用価値を消費者へ強く訴え、必要となった時や購入できる状況になった時に購入してもらうように働きかけます。
その他の AIDA派生モデル
AIDMAの他にも、AIDAの派生モデルがいくつか実践されています。
今後のマーケティング展開に役立ちますので、ここで簡単に説明しておきましょう。
AIDCA(ダイレクトマーケティングと人的販売用の特化版)
AIDCAは『Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(渇望)→Conviction(確信)→Action(購買)』を根拠とする消費者心理の理論です。
AIDAの4つの要素に『確信』を加えたモデルで、消費者が商品・サービスの必要を確信するという条件を付加しています。
つまりこの理論では、消費者が購買意欲を抱いた時点で、さらに購入ニーズを確信させるアプローチを工夫します。
AMTUL(継続購入する顧客の獲得用のバージョン)
AMTULは『Awareness(認知)→Memory(記憶)→Trial(使用) →Usage(本格的使用) →Loyalty(ブランド固定) 』を根拠とするマーケティング理論です。
購買行動モデルでは、マーケティングコミュニケーションの度合いに目標を定め、ブランド化とリピート化へのアプローチを主軸に置いています。
AISAS(インターネット対応型バージョン)
AISASはインターネット検索型のマーケティングモデルで、『Attention(注意)→Interest(興味)→Search(検索) →Action(購買行動)→Share(共有) 』を根拠とするマーケティング理論です。
この理論では、消費者への強い印象づけよりも情報拡散を重視します。
SNSをはじめとするスピーディーなネット情報によって、『検索』されることを重視した広告手段を施します。
Web広告は加速度的に進化していますから、今後も注目度が高い手法となるでしょう。
02AIDAの4つのマーケティング法則
AIDAを効果的に活用するために、ここで消費者の4つの心理段階を確認していきましょう。
Attention・ 注意
まずマーケティングの第一段階として、一般の消費者へ向けて会社自体や商品・サービスの広告を発信し、広く認知してもらいます。
これを一次認知段階といって、AIDAのAttention( 注意)に当たります。
この段階でのマーケティングの目標は、会社や商材の周知です。
集客のために、徹底したターゲティングと広告媒体・手法の選択が重要で、設定したターゲット層へ的確に広告を届ける工夫を凝らします。
Interest・ 興味
ターゲット層に広告が届いたとして、次のフェーズは商品・サービスへの興味・関心を惹くことです。
これを二次認知段階といって、AIDAのInterest( 興味)に当たります。
マーケティング目標としては消費者が自社商品の商品・サービスに対し、どういった印象を持つかに焦点を当てます。
ターゲティングの共通する価値観やニーズを的確に捉え、購入メリットをアピールし、消費者の期待へ応えるべく購入意欲の喚起を工夫します。
Desire・欲求
ターゲット層に興味を抱いてもらった段階で、そのまま購買意欲へつなげるアプローチが必要です。
これを感情段階といって、AIDAのDesire(欲求)に当たります。
マーケティング目標としては、消費者に「コスパの良さ」や「購入する価値」をアピールします。
競合他社の商品・サービスよりも自社商品の方がお得で価値があることを提案し、他では得られない購入ベネフィットがあると伝えます。
Action・ 購買行動
購買意欲が高いうちに商品・サービスの購入・契約へと行動喚起します。
これを行動段階といって、AIDAのAction( 購買行動)に当たります。
マーケティング目標としては、顧客のリピート化につながるアプローチを工夫します。
購入体験がより魅力的なものとなるため、販売の仕方やその後の顧客フォローを工夫することができるでしょう。
AIDAモデルの理論は、最終段階が次の集客へつながる大事なフェーズであると強調しています。
03AIDAによるマーケティングのメリット・デメリット
AIDAの基礎知識を把握したところで、次に実践する上でのメリット・デメリットについても確認しておきましょう。
AIDAによるマーケティングのメリット
AIDAによるマーケティングでは、主に次の2つのメリットが得られます。
- ターゲティング層の心理状態に応じた広告展開に絞り込める
- 自社の弱みを具体的に評価できる
ターゲティング層の心理状態に応じた広告展開に絞り込める
AIDAでは、まず消費者の心理状態に応じたマーケティングを工夫します。
設定したターゲット層の購買行動を販売フェーズの場面ごとで分析し、それぞれに効果的な広告方法・販売方法を試みることに務めます。
具体例として、自社の商品・サービスを知らない人がECサイトを訪問した場合、まずは商材の魅力や価値を説明することが大事となります。
その説明を省いて、単に購入ページへの誘導を図ったとしても離脱されるでしょう。
AIDAでは、ケースバイケースでアプローチを工夫するように教えています。
顧客の心理を把握した上で、適宜に効果的なマーケティング活動ができるのもADIAのメリットです。
自社の弱みを具体的に評価できる
AIDAの活用によって、企業はマーケティング施策の在り方を明確に把握するように意識します。
それによって、マーケティングの各段階で設定した誘導の成否が判断しやすくなります。
例えば、インフルエンサー広告でたくさんの人がECサイトへアクセスしているとしましょう。
アクセスしているにもかかわらず、注文の申し込みやお問い合わせまで届かないという問題が浮上します。
つまり、興味をもってECサイトへアクセスした人が、購入に至るまでの必要性を感じていないという判断がつきます。
この状況は、AIDAの『欲求・渇望』のフェーズでアプローチ力が不十分と、しかるべく改善すべしと判断できるでしょう。
AIDAによるマーケティングのデメリット
AIDAは古くから活用されてきたマーケティング理論ということで、消費者の購入行動や広告媒体の変化に適応しきれない部分もあります。
そこで、これからAIDAを採用する企業においては、次の3つのデメリットを理解しておいてください。
- 単純化された理論には状況によって効果に差が生じる
- 消費者の興味を惹くために誇張した広告を行う危険がある
- 長期的な効果がない可能性がある
単純化された理論には状況によって効果に差が生じる
企業が提供する商品・サービスが多様化する現代、AIDAの理論だけではカバーできないケースもいろいろと発生しています。
そのため、AIDAには補足的に複数の派生理論が考案されてきました。
特にSNS等のコミュニケ―ションツールを利用する広告では、顧客ニーズの分析により慎重を極める必要があるでしょう。
もちろん、ターゲティングから広告発信方法、コンテンツの内容までをそれぞれの状況に応じて作り変えることも重要です。
一元的な広告戦略を実践しても、理論を超える問題が生じる可能性に注意が必要です。
消費者の興味を惹くために誇張した広告を行う危険がある
話題性ばかりを追及したり、無理に人気を獲得しようと誇張表現の広告を発信したりしてしまう危険性があります。
企業のブランド化や顧客のリピート化を考えるならば、情報発信は正確さを重視しなければなりません。
なお、商品・サービスの品質向上もおろそかにするのは危険です。
広告に頼るあまり、肝心の商品・サービスの品質が低下してしまうケースが見られます。
AIDAの効果を期待する場合、企業の実力の裏打ちが欠かせません。
長期的な効果がない可能性がある
AIDAにおいては、消費者が広告などで商品・サービスの情報を得た時点で購入行動へ転ずるようにアプローチします。
同時にじっくりと時間をかけて売り込む工夫もおろそかにできません。
リピート化をはじめ、顧客がファンとして長期的に付き合ってもらえるように、顧客とのコミュニケ―ショーン構築が業績拡大の要となるからです。
顧客との長期的な関係構築のためには、適宜に顧客の反応や意見を収拾し、定期的なフォローアップとしてメール配信やイベント・キャンペーンなどの開催、顧客の興味を維持する工夫が必要です。
そのために、AIDAと並行して他のマーケティング手法も積極的に取り入れていくべきでしょう。
AIDAによるマーケティングの注意点
上記の挙げたデメリットがそのまま注意点となります。
つまり、誇張広告は避けて誠実な情報発信を徹底し、短期的な利益に固執せずに、長期の顧客管理を工夫する必要もあるでしょう。
さらに付け加えるならば、購入行動へ至る最後の一押しに注意を向けましょう。
AIDAのコンバージョンは、消費者にAction(狙った行動)を起こさせることです。
最後の最後、注文や契約のページで離脱されてしまい、実利を上げられないケースに注意してください。
04AIDAによるマーケティングの実践ポイント
AIDAによるマーケティングでは、いかにターゲット層へ広告を届けるかが重要です。
近年ではSNS広告やECサイトの普及により、従来のテレビCMや大衆向け雑誌、新聞、ラジオといった一方方向の広告媒体では困難であった顧客とのコミュニケーション構築が可能となりました。
そこで、これからのAIDAマーケティングを採用する際は、次の3つの実践ポイントを活用していきましょう。
注意を引きつつ欲求を作り出す
購入意欲とは、『なぜ購入したいのか?』を買い手自身へ理解させることから生じます。
つまり、企業側はセールスポイントを明確に簡潔に伝える必要があります。
視覚と音響を活用して、情報量が多くてインパクトのある広告を発信するように務めましょう。
SNS広告やECサイトでは、画像(動く画像もある)とテキスト、動画を駆使したインパクトのある広告配信が主流です。
例えばインフルエンサーによる使用体験や利用方法の説明は、提供する商品・サービスに興味を持つ消費者にとって『使ってみたい』という欲求を喚起する絶好の手法となります。
行動喚起の決め手を設定する
先にも述べた通り、広告の成否はコンバージョン達成の有無にかかっています。
仮に多くの消費者が注文ページまで進んだとしても、最後の注文ボタンをクリックしてもらわなければ成果が不十分ということです。
そこで、行動喚起の決め手を用意しておくのをおすすめします。
実は、決め手の良し悪しでコンバージョン率が大きく変わってきます。
例えば、クロ―ジングコピーとして次のプレゼンを設定します。
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こうすることで、購入・契約への魅力的なステップを儲けることができます。
このような消費者ベネフィットは、迷っている消費者の背中を押す決め手になります。
AIDAの理論は明確ですが、単純化された理論をどのように適用するかで成果が大きく変わります。
- まとめ
- 広告の戦略を構築するにあたって、昔から実践されてきたAIDAによるマーケティングが有効です。
- Webメディアの流行は非常にスピーディーで、広告発信から販売までのタイムラグの小さな手法を優先させる意味があります。
- もちろん、多様化する消費者ニーズを捉えていくためには、AIDAの他にもケースバイケースで導入すべきマーケティング方法がありますので、マーケティング担当の方は守備範囲を広げた対応を進めていきましょう。
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