AI活用でマーケティングが変わる?実際の成功例より徹底解説!
さまざまな分野でAI化が促進される現代。
ビッグデータをベースにした情報活用により、これまでにないビジネススキルが続々と確立されています。
中でも、AIが最も得意とするデータ分析能力を最大限に活用することで効果を挙げているのがマーケティングの世界です。
AIによって進化するマーケティングの現状を、実際の成功例をもとに分かりやすく解説します。
01AIによる新たなマーケティングが業績を大幅に拡大する
オンライン上で盛んに施策されるマーケティングによって、これまで膨大なデータが蓄積されてきました。
このビッグデータを活用して、AIが今までにない精度の高いマーケティング手法をいくつも確立しています。
人材不足を補って余りあるAI型マーケティングの理解を深めることは、今後の業績アップには欠かせません。
そこで確認しておきたいのが、AI型マーケティングの特徴やその効果でしょう。
そもそもAIとは?
自己学習する人工知能・AIは、さまざまな分野で無人作業を実現させています。
2023年現在において、すでにいくつかの分野で人工知能・AIが人知を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)に達しているとの見方もあります。
人工知能・AIとは人と同じように思考する知能およびその概念や技術
そもそもAIについては、これまで明確な定義が存在していません。
ただ、大まかには汎用型人工知能と特化型人工知能の種類に分別され、それぞれに特徴付けされています。
〇特化型AIとは個別の分野・領域に特化したAIのことで、限られた範囲のデータ処理を行う弱いAIとされています。
例えば、気象データの分析から天気予測するシステムや、画像や音声データの解析をベースとした自動運転システムなど、現時点で実用化されているものは特化型に分類されます。
〇汎用型AIとはオールマイティに課題を処理するシステムで、柔軟性をもって課題に対応します。
この点でより人間に近い強いAIとされ、近未来のAIと目されています。
ちなみに汎用型AIは、自意識や感情(心)を持っているAIを意味します。
つまり、新たな取り組みにおいてプログラミングの追加が不要で、人間のように自力で課題の解決に望みます。
現時点でのAIマーケティングも特化型であり、今後は汎用型AIによって生活のあらゆる場面で販売活動のアクションがなされるでしょう。
機械学習
具体的な能力として、みずからルールを見つけ出し、分析・予測などを行う機械学習の技術を持ちます。
ビッグデータをベースに的確なルールを見つけ出し、そのロジックによって分類や予測、判断などを実行するアルゴリズムです。
ディープラーニング
さらに、AIにはディープラーニングの機能が備わっています。
機械学習で得た知識を基に、人工的な思考回路ネットワークを構築します。
この能力によって優れたソリューションを確立し、より効率的な処理を講じます。
そもそもAIとは?
- マーケティング戦略のもととなるデータ量の増加傾向に対応できる
- 顧客データの徹底分析による的確なターゲティングが可能となる
- 最終的にはマーケティングのオートメーション化が可能
近年、マーケティングの世界では、データ量の増加に人的労力が追い付かないとの懸念があります。
また、複雑に膨大化したデータの分析が困難で、パーソナライゼーションの難度も上がっています。
この課題に答えを出すのがAI型マーケティングとされ、AIが商品やサービスをユーザーに応じて最適化する手法(シナリオ)を考案・実施します。
なお、個別コミュニケーションを深めるなどの施策により、顧客体験の向上から集客率アップ、購買アップもサポートすることが期待されています。
01マーケティングAI化のメリット・デメリット
ここで、AI型マーケティングを利用するメリット・デメリットを簡潔にまとめましょう。
メリット
メリットに関しては、上記の『注目される理由』が主なポイントです。
- 分析の効率化:マーケティングにかかわるデータの徹底収集・分析
- パーソナライズの精度向上:精度の高いターゲティングが可能・顧客のリピート率アップ
- 業務効率アップ:作業量の削減で、各スタッフの強みを活かす作業に集中できる
- 利益率の向上:コスト削減と生産性アップ(利便性が上がる)
- 顧客対応の効率化:AIチャットボットなど、カスタマーサポートの充実
- 顧客との個別コミュニケーションが深まり、顧客満足度のアップ
特に期待できる要素として、『精度の高い人流分析』があります。
広告・販売手法の改善に役立つ技術として、広告戦略の最適化や店舗(自社の販売サイト)のレイアウト調整などに活用できます。
注意すべきデメリット
- AI任せの部分においては、高度なリスクマネジメントが必要
- 思考プロセスがブラックボックス化する
- 責任が曖昧になる
- 導入時から安定運用までのコストと時間がかかる
オンライン上のセキュリティシステム対策を強化したり、AIシステムのバグやトラブルに対応する手段を用意したりするなど、これまでにないリスクマネジメントの構築が求められます。
また、AIはビッグデータを高速で処理してマネジメント実施するため、そのプロセスを把握できません。
成果が上がらずにマネジメント戦略の改善を行うにしても、結局AI任せになってしまう可能性が高くなります。
なお、作業が大幅に削減されれば、従業員カットの問題も出てきます。
03マーケティングのAI化によって期待できる効果・活用方法
ここまでAIを活用するマーケティングの特徴やメリットを確認してきました。
具体的には、どのように活用できるのかを見てみましょう。
キメの細かな顧客対応
受付・接客・商談などの現場では、チャットボットやChatGPTなどAIチャットが活躍し始めています。
安定した質の高い顧客対応が実践できると高い評価を得ています。
また、顧客管理(アフターフォロー)においても優れた効果が見られます。
例えば・紳士服大手のはるやま商事はパーソナライズDMで来店率アップに成功しました。
『一人ひとりの好みに合わせたスーツやシャツを提案し、さらに割引クーポンを付けて』、AIが的確なタイミングで自動配信しています。
データに基づく店舗レイアウトで商品アピール
中古車販売IDOMが、『ABEJA Dashboard』のAIツールを使って、店舗レイアウトとその場における接客の改善に成功しています。
実店舗のレイアウトは、販売促進の大きな課題です。
来客の店内行動をもとに、店内の動線分析を行いました。
チェック項目は『 滞在時間・接客時間・エリア侵入時間と立ち止まり時間・商品吟味の時間』などで、どのような店内が販売促進につながるのか、答えを出しています。
web広告やコンテンツの最適化
AIマーケティングの代表的な活用としてWebマーケティング業務があります。
- SEO対策:タイトルテキストの自動生成や内・外部リンクの最適化で検索順位アップ
- 広告素材の作成:広告コピーや画像を購買率が高い素材で自動で作成する
- Web広告・自サイトの作成・運用:ターゲティングからキーワード設定、WEBデザインに、広告出稿の入札単価の提案など、ロジックによる最適化をもって実施する
なお成果が上がらない際の改善は、部分的に手動に切り替えることで対応が可能です。
データの管理・分析の効率化からマーケティングプランの提案・実施まで
AIは、蓄積されたアクセスデータ(人流)や購買までのアクションデータ、個々の顧客の閲覧履歴・購入履歴などのデータを分析し、効率的なレコメンド(商品・サービスのお勧め)プランを提案してくれます。
同時に、パーソナライズされたメッセージやコンテンツを随時に作成し、自動で配信することも可能です。
このように集客から販売までのシナリオをケースバイケースで適宜に作成し、実行する能力を発揮するのがAIマーケティングの重要な機能です。
04AIをマーケティングに活用する際のポイント
一見、AIマーケティングを導入すれば、自動で適切な広告販売を実施してくれると思われがちです。
しかし、現時点では手放しで効果が上がるシステムには達していない点に注意が必要です。
期待する効果を挙げるためには、次の4つのポイントに留意してください。
マーケターがAIを使いこなすこと
- AIの基礎を学ぶ
- AIの構築を体感する
- AIの事例を学習する
- AIのプランニング力を磨く
担当のマーケターは、まずAIについての理解を深める必要があります。
マーケティング機能の要素として、AIは『顧客の個々の特徴を掴む名人』でターゲティングからレコメンドまでを一貫したロジックをもって実践できるということです。
また、AIは実績を積むことで成長すること、そのためのサポート(問題提起や指示)はマーケターが行う必要があることも重要です。
そこで、AIによる成功例・失敗例を学習することもおすすめします。
AI導入で何を目標にするのか?それにはどのタイプのAIを導入すべきか、どのように運用すべきかをマーケターが工夫しなければなりません。
AIの機能を的確に選ぶ
マーケティングに活用できるAIタイプとして、主に次の4種類に分類することができます。
機械学習
このタイプは膨大なデータから必要な情報を自動識別し、分析・処理するのに適しています。
〇人の業務代行の例:顔・声・指紋認証によるセキュリティ管理、フルタイムのエラーチェックやワード検閲など
〇拡張活用の例:画像上で確認が困難な診断、SEOに準じた効果的なWebサイト作成など
予測機能に優れたAI
このタイプはビッグデータから必要な情報を収集し、分析・処理する機能が優れています。
〇人の業務代行の例:仮想化により多様化・肥大化するログのチェック、システムの異常値チェックなど
*ログとはネット利用状況や履歴の記録のこと
顧客の行動予測、商品・サービスの需要予測など
会話機能に優れたAI
このタイプは言語能力に優れていて、会話ツールとして活用されます。
〇人の業務代行の例:24時間対応のカスタマーサービス、チャットボットによる受付け業務など
〇拡張活用の例:多言語によるグローバルな対話、機械・システム同士の対話
オールマイティな機能をもつAI
このタイプは条件設定次第でどのような業務も対応可能です。
〇人の業務代行の例:人が行う業務全般、自動運転、フルオートメーションの製造ライン運用など
〇拡張活用の例:建築の作業現場の無人化、AI制御のロジステック、広告用の自社サイト(動画サイトを含む)の自動作成・運用など
AIに学習させるデータは慎重に選ぶ
AIの活用においては、『学習フェーズ』と『実戦フェーズ』に分けた取り組みが必要です。
導入したての赤ちゃんのAIを利益率アップのツールに成長させるには、学習用の『データセット』で規則性や関連性を抽出し、ディープラーニングで『学習モデル』を構築させます。
その際、精度を高めるために大量のデータ(正確で詳細なデータ)を入力させる必要があります。
このデータ入力に不備があると、AIは適切な判断ができなくなってしまうリスクがあります。
ビジネス・マーケティングについての理解を深める
AIのビジネス活用の前に、担当マーケターは自社におけるビジネス課題を見つけることが求められます。
自社のどこが問題なのか?AIに何を解決させたいのか?を洗い出し、優先順位をもって対処する手はずを整えます。
つまり、マーケターにはマーケティングについての確かな理解が必要になってきます。
もちろん、導入するAIにソリューションが可能かどうかのAI知識も合わせて習得しておきたいところです。
05AIを活用した マーケティングの成功例3選
最後に、AIマーケティングによる成功例を3つご紹介します。
ニトリ:ディスプレイ広告入札を自動化
インテリアメーカー・ニトリは、オンライン広告から来店者アップのO2Oマーケティング(Online to Offline)にこだわったマーケティングを展開してきました。
そこで、Googleの自動入札単価調整システムを活用し、来店確率の高いユーザーを予測して広告出典の入札単価を随時に調整・実施するシステムを導入しました。
AIによる自動入札によって、来店率が従来の手動時の36%増を達成したとされています。
なお、自動化によって人件費を含む広告費の削減も顕著であったことはプラスのメリットです。
NTTドコモ:広告サイト上で自動レコメンド対応
NTTドコモでは、AI型Web接客ツール・ecコンシェルの導入でECサイトの効率化を高めています。
例えば、ユーザーにとって利用メリットの高い『個別レコメンド&割引クーポン配布』をサイトに訪れた方、一人ひとりに行うことで販売実績をアップさせています。
最新データから個別のA/Bテストを実施、その回答に応じたおすすめ商品を最適なタイミングで提供するといった内容です。
AIによって、サイト訪問者の個別接客を可能にしたのが大きな特徴です。
メルカリ:AI制御の出品システム
メルカリのフリマアプリでは、AIを活用して商品画像だけで自動出品できるシステムをリリースしました。 商品の画像から、AIが商品情報などのテキストを自動作成してくれ、商品によっては適正価格の設定まで行います。 ユーザーは商品の写真をアップロードするだけ、1分で出品完了という便利なシステムです。
- まとめ
- ネット上に蓄積されたビッグデータや自社が積み上げた有力情報は、業績アップの重要ファクターですが、それを活用するのはハードルが高いという難点がありました。
- AIがマーケティングに導入されるようになり、今まで手が届かなかった戦略も果敢にチャレンジできる環境が整いつつあります。
- もちろん切磋琢磨のたまものでもありますので、導入にはプロのサポート・アドバイスを仰ぐことをおすすめします。
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