株式会社ナハト

マーケティングで重要なVOCとは?顧客の意見を取り入れるために

効果的なマーケティングを実施するために、VOCを分析し施策や戦略に活かす企業が増えています。

VOCとはお客さまの声のことですが、商品やサービスのロイヤリティを高め、顧客に信頼される企業に成長するためには必要不可欠な要素です。

今回、マーケティングでVOCを活用するためのポイントとVOCを活用して成功した事例についてご紹介します。

ぜひ、VOC分析をマーケティングに生かしていきましょう。

01VOCマーケティングとは

マーケティングで重視されるようになったVOCとは、企業の商品やサービスを利用した顧客の意見や感想のことです。

VOCには肯定的な意見や要望だけでなく、不満や苦情などネガティブな感情の内容もあります。

否定的な意見は企業にとって辛いものですが、その中には顧客のニーズを把握し、商品・サービスの改善につながる重要な情報が含まれています。

中立的な立場でVOCを分析し、マーケティングに活用できれば、さらに質の高い商品やサービスを生み出す原動力となるでしょう。

02VOCマーケティンはなぜ重要なのか

マーケティングで重要視されるようになったVOCですが、なぜ多くの企業が顧客の声を収集するようになったのでしょうか。

その主な理由は、以下の通りです。

  • 競合他社と差別化を図るためのヒントになる
  • 新たな市場開発や商品・サービスの改善につながる
  • リスク回避・軽減のための施策ができる
  • 根拠に基づいた効果的なマーケティングが実施できる

競合他社と差別化を図るためのヒントになる

多くの市場はすでに充足されておりマーケティングで「良い商品やサービス」というだけでは、他社との違いをアピールするのが難しくなっています。

そのため、顧客がどのような価値観をもって商品の購入やサービスを利用しているのか注目し、マーケティングに生かすことが重要です。

VOCの情報をマーケティングに取り入れると、今まで企業が気づけなかった自社の強み・弱み、プラス面やマイナス面がよりはっきりします。

その情報からマーケティングを効果的におこなうために必要な、自社のターゲット層の傾向や嗜好を把握できるかもしれません。

新たな市場開発や商品・サービスの改善につながる

自社内の会議だけでは気づけなかった顧客の本当のニーズが、VOCで確認できます。

具体的には、企業が想定していた以外のターゲット層から人気があったり、商品が予想していなかった使い方をされていたりする場合があります。

顧客の視点で見た商品やサービスへの評価は、マーケティングをおこなう上で貴重な情報となるでしょう。

リスク回避・軽減のための施策ができる

現在、日本のネットユーザーの80%がSNSを利用しており、今後も増える見込みです。

SNSで商品やサービスを検索し購入するネットユーザーも多く、クレームやトラブルへの対処の遅れが、企業イメージダウンや炎上につながる恐れがあります。

VOCが寄せられた順番で見ていくと、緊急性の高い重要な情報を見逃すことなく素早く対応できるので、リスクを避けられます。

根拠に基づいた効果的なマーケティングが実施できる

VOCの内容は、良いものばかりとは限りません。

ネガティブな内容をマイナスと受け止めるのではなく、途中解約やキャンセル、クレームの理由を収集・分析して、今後のマーケティングの施策に生かしていきましょう。

VOCの情報を蓄積し分析することで、購買につながったきっかけや傾向、リピートとしなかった理由も明確になるので、顧客の購買行動や意識に合わせたマーケティングの施策が立案しやすくなります。

さらに、収集したVOCの情報を、顧客満足度として数値化すれば指標としても利用できるので、今までの施策・戦略を正しく評価するのにも役立つはずです。

03VOCを収集する方法

VOCを収集する方法は、5つあります。

それぞれの方法に集まる情報に違いがあるので、マーケティングに活用するには複数の方法でVOCを収集する方がよいでしょう。

  • 電話
  • チャット・問い合わせフォーム・メール
  • インタビュー
  • SNS
  • アンケート

電話

電話は、知りたいことや伝えたい内容がある顧客側から企業にコンタクトを取る方法です。

顧客の本音が出やすく、内容も緊急性が高い場合が多くなります。

電話のデメリットは、オペレーターがマーケティングで重要となるVOCを取りこぼす可能性があることです。

対策として、緊急性を要するVOCを取りこぼさないよう、通話内容の自動録音機能や顧客情報管理機能などを導入するのもよいでしょう。

その他にもオペレーターが対応する電話では、営業時間内での問い合わせとなるので、顧客がいつでも問い合わせができるよう複数の方法を組み合わせて利用してください。

チャット・問い合わせフォーム・メール

チャット・問い合わせフォーム・メールは、顧客の都合のいいタイミングで問い合わせができるので、VOCが集まりやすくなります

さらに、チャットボットを導入すると、いつでもマーケティングにいかせるVOCの取得が可能。

チャットボットとは、人工知能を利用して作られた自動会話プログラムです。

チャット・問い合わせフォーム・メールの欠点は、その場でやり取りができないため、複雑な話や追加質問ができないことでした。

そのような欠点も、チャットボットの導入で改善できるようになっています。

インタビュー

インタビューのメリットは、気になる意見があれば、その場で深く掘り下げた質問ができることです。

実際に、商品・サービスを利用した人に対して行うので、信頼できるVOCを収集できます。

ユーザーを集めるために謝礼やイベントなど工夫が必要な時があり、他の方法と比べると費用と時間がかかる場合があります。

SNS

SNSは、公式アカウント以外のInstagramやTwitter、口コミサイト等を調べ、自社や関わっている会社、提供している商品・サービスなどについて、どのような意見があるかSNSで調べる方法です。

検索するSNSの種類によっては匿名性が高いので、率直な意見が書かれていることが多く、マーケティングの貴重な情報源となるでしょう。

ただ、意図的に悪意のある内容や、本心ではない意見が書かれていることがあるので、真偽を見極める必要もあります。

アンケート

アンケートの良い点は、目的に応じてさまざまな回答形式を選択できることです。

マーケティングで自社が収集したいVOCの内容に沿って質問や、回答形式を選びましょう。

ユーザーやターゲットからの回答率を上げるためには、回答を選択形式にしたり、粗品を準備したり工夫が必要になるかもしれません。

04VOCを分析する際のポイント

実際に、VOCを分析する際のポイントについてご紹介します。

場合によっては膨大な量のVOCが集まるので、効率よく分析に進めるよう事前に収集する時のポイントを把握してから始めましょう。

  • 目的をはっきりさせる
  • 複数のチャネルを使ってVOCを収集する
  • 情報を共有できるよう一元管理する
  • 優先順位・重要度を判断する

初めに目的をはっきりさせる

VOCを企業分析に利用する場合は、目的をはっきり決めてから情報収集を開始してください。

目的を決めずに開始すると、必要としている情報以外にも膨大な量のVOCが寄せられ大切な情報が埋もれてしまう可能性があります。

企業目線では気づきにくい情報を収集したい時には、センチメント分析を実施してみましょう。

センチメント分析は、web上に書き込まれている口コミや評価などからサービスや企業にユーザーがどのような感情を抱いているか本音を知るための方法です。

これらの情報から、問題を解決したり、リスクを避けたりするためのヒントが見つかるかもしれません。

複数の方法を使ってVOCを収集する

VOCを収集する際は、できるだけ複数の方法を用意するようにしましょう。

情報を集める方法により、寄せられる意見の性質が違うためです。

具体的には、電話に寄せられるVOCにはすぐに対応すべき緊急性の高い情報が多く、アンケートやSNSには施策や戦略の改善に役立つ素直な意見が収集しやすくなります。

情報を共有できるよう一元管理する

VOCを企業内で活用するためには、情報を一元管理し所属部署に関わらず共有できる組織体制を作ることが大切です。

コンタクトセンターなど顧客と直接接点をもつ部署と、マーケティングや商品を開発する部署でVOCを共有できていないと、貴重なユーザーの意見を生かすのは難しくなります。

集めたVOCをすぐに活用できるよう、情報の一元管理を助けるツールを導入するとよいでしょう。

優先順位・重要度を判断する

多くの情報を把握し、そのすべてを商品やサービスに活かすのは難しいので、優先順位を決めてマーケティングに必要なVOCを収集するのも大切なポイントです。

VOCの優先順位や重要度を意識して収集しないと、緊急で対応しなくてはいけない内容の情報がもれてしまうことがあります。

あらかじめ優先順位と重要度を企業内で共有しておくと、効率よく情報を収集できるでしょう。

05VOCをマーケティングに活用する方法

収集したVOCをどのようにマーケティングで活用するのか、具体的な方法を説明します。

主に活用できるのは以下の4点です。

  • 自社の課題を見つけ改善するための戦略や施策を立てる
  • 顧客満足度を数値化してKPIやKGIとして利用する
  • テストマーケティングに活用する
  • 顧客やユーザーの声を企業活動でアピールする

自社の課題を見つけ改善するための戦略や施策を立てる

自社のイメージ低下がある場合、VOC分析が企業側の視点では見つけられない問題を発見し改善するのに役立つでしょう。

ターゲット層を決めてVOCを収集すると、必要な情報が集まり、その内容に応じて対象の変更やターゲット層別にマーケティング戦略の見直しができます。

顧客満足度を数値化してKPIやKGIとして利用する

収集したVOCを顧客満足度として数値化すると、企業内で共通の認識を持ちやすくなり、マーケティングでKPIやKGIとして利用が可能です。

顧客満足度を数値化する方法としては、3つあります。

  • NPS(ネットプロモータースコア)
  • CSI(顧客満足度指数)
  • JCSI(日本版顧客満足度指数)

いずれの方法も、VOCを収集する前に使用する指標を決め、数値化に必要な情報を集めます。

NPS(ネットプロモーションスコア)

NPS(ネットプロモータースコア)は、顧客ロイヤルティを測る指標で企業や商品のイメージを数値化したものです。

CSI(顧客満足度指数)

CSI(顧客満足度指数)は、自社商品に関連性高い質問をして顧満足度を測定する方法になります。

JCSI(日本版顧客満足度指数)

JCSI(日本版顧客満足度指数)は、CSIに日本向けに質問項目を追加した方法で、顧客満足度を数値化するのに使用します。

テストマーケティングに活用する

商品の販売やサービスを本格的に開始する前に、リスクを軽減するために行うのがテストマーケティンです。

テストライティングの後は、早期にVOCを分析し顧客の意見を商品・サービスの改善に取り入れると、さらに失敗するリスクが軽減します。

顧客やユーザーの声を企業活動でアピールする

VOCを分析すると、商品やサービスがどのように評価されて、どう使われているか、どこに満足しているかなど、顧客のきめ細かな意見が収集できます。

実際に利用したユーザーや顧客のリアルな意見は、購入や利用を迷っている人からも信頼されやすく、強力なアピールポイントとして広告や営業で活用できるでしょう。

06VOCをマーケティングに上手く活用した事例

VOCを活用し成功した事例について3つご紹介します。

  • 通販サイトの事例
  • 大手化粧品メーカーの事例
  • 製薬会社の事例

通販サイト

日用品から雑貨、食品まで幅広く取り扱う通販サイトを運営している企業の事例です。

課題

マーケティングで顧客のロイヤリティを高めるため、問い合わせ方法を改善して通販サイトをより使いやすくすることに加え、カスタマーサポートで行う顧客の不満や利便性の悪さを改善し、企業に良い感情を持ってもらうことを課題としていました。

実施内容

初めに、よくある問い合わせや顧客が高い関心を示す内容を分析。

顧客側がオペレーターの対応にいだく不満を解消するため、オペレーター側の意見も聞き、業務改善に取り組みました。

成果

対策として、人工知能を取り入れた自動音声応答サービスの回答精度を上げて、顧客の抱える問題の解決率がアップしました。

さらに、VOCの分析とオペレーターの意見も取り入れ、必要に応じて顧客との柔軟なコミュニケーションを可能にする業務フローを導入することができました。

その結果、顧客の不満で発生していた商品のキャンセルを予防し、顧客のロイヤリティ向上につながっています。

大手化粧品メーカー

日本の国内シェア上位で、化粧品の製造・販売を主に行う化粧品メーカーです。

この企業は、フリーダイヤル(電話)、メール、手紙、LINEチャット、Twitter、Yahoo知恵袋(Web)などを活用してVOCを収集しています。

課題

この企業の課題は3つでした。

1つ目は、電話・メールの、店頭での対応では年齢層の高い人のVOCしか収集できていないことです。

そのため、マーケティングで若い世代を取り込み、新商品を開発するには不利でした。

2つ目は、若年層の顧客は美容に関して基本的な質問が多い傾向がありましたが、接点が少ないため、十分なサポートができていませんでした。

最後の課題は、SNSを活用して企業のPRも行っていましたが、オープンなメディアでは個人的な相談が難しいのが現状でした。

実施内容

若い世代が利用するSNSをモニタリングしてVOC収集すると共に、LINEチャットやWebサイトのよくある質問ページを更新しました。

また、Twitterアカウントを開設し、自ら困っている顧客に直接話しかけるアクティブサポートも実施。

若い世代や人との会話が苦手な人でも気軽に相談できるよう、LINEチャットによる美容相談サービスや、人工知能を活用した自動音声応答サービスも導入しました。

成果

VOCを分析して、オペレーターが対応する以外の方法も増やし、オペレーターの働き方改革にも成功。

自動応答を導入したことで、若年層も相談しやすく、顧客の自由な時間に相談が可能となり、男性などより幅広い顧客にアプローチできるようになりました。

製薬会社

医薬品・健康食品・スキンケア製品を中心に製造・販売している製薬会社です。

お客さま安心サポートデスクの設置や、取集した情報も企業内で共有し、商品・サービスの改善に取り組まれています。

課題

メインとなる課題は、既存商品と差別化した新商品が、顧客に受け入れられるか確かめることでした。

そして、VOCを集めることで顧客の潜在ニーズを見つけ、商品・サービスの開発につなげることも目指していました。

実施内容
これまでにVOC分析を行ってはいましたが、潜在ニーズの把握のため、より深くVOC分析をし、集めた顧客の声の背景についても分析をするようにしました。

成果

新商品に寄せられたVOCを分析したことで、既存の物より高価な商品のためサンプル品が欲しいという顧客の要望や、既存商品よりアンチエイジングへの期待が大きいことのほか、男性など属性別の意見も把握できました。

その結果、新たな商品開発やセールス手法を検討するきっかけとなりました。

まとめ
今回、企業のマーケティング戦略や施策を考えるうえで重要となるVOCについてご紹介しました。
 
VOCを活用すると、企業目線では気づけなかった商品・サービスの問題が明らかになる時があります。
 
その問題に企業側が早く気づき、ユーザー視点での商品・サービスの開発や改善を可能にしてくれるきっかけとなるのがVOCです。
 
より顧客やユーザーの要望に沿った商品・サービスを提供することは、企業ブランドや商品へのロイヤリティを高め、安定した経営にもつながります。
 
ぜひこの記事を参考に、マーケティング戦略や施策を考える際はVOCを活用してみてください。
 

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