記念日マーケティングで売上アップ!その方法と事例を紹介します
『20代記念日を制定してマーケティングを行うのが記念日マーケティング。
日本の記念日の数は、一般社団法人日本記念日協会に認定されているだけでも2100以上の記念日が存在しているのです。
数多くの記念日が混在する中で記念日マーケティングを成功させるには、日付の設定などいくつかのポイントがあります。
このコラムでは、記念日マーケティングを実施する際のポイントと、成功事例についてご紹介します。
01記念日マーケティングとは
記念日マーケティングとは、特定の日にちと商品・サービスを結び付け、売り上げアップやブランディング、顧客との関係を強化する目的で行われるマーケティング手法です。
バレンタインやクリスマスなど、記念日に特別な感情を抱く人も多いのではないでしょうか。
企業が記念日を制定することで、今まで商品・サービスに興味を持っていなかった人にも強い印象を残すことができます。
記念日マーケティングを成功させるためには、制定した記念日に合わせたPRや、イベント活動を行い、記念日の周知が必要です。
02記念日マーケティングを導入するメリット
記念日マーケティングを実施するメリットは、3つです。
- 費用効果が高い
- ブランド認知度を向上できる
- 商品販売を拡大できる
費用効果が高い
記念日マーケティングのメリットは、低コストで大きな広告効果が期待できることです。
正式な記念日として制定するには「一般社団法人日本記念日協会」に記念日の登録が必要となります。
登録費用として1件あたり15万円がかかりますが、それ以外の費用は必要ありません。
月単位の利用料や、ネット広告のような課金、撮影費など追加費用が必要ないため、トータルで考えるとコストは抑えられます。
さらに、記念日のPRやイベントがメディアに取り上げられたり、SNSで拡散されたりと、低コストで高い広告効果が期待できるでしょう。
ブランド認知度を向上できる
記念日マーケティングは、ブランドの認知度を向上させる効果が期待できます。
記念日に合わせたキャンペーンやイベントは、商品・サービスを知らない人の関心も集めやすく、記憶にも定着しやすいです。
そのため、消費者にブランドイメージを定着させ、持続的な売上アップにつながりやすくなります。
企業自体のブランドイメージをアップさせたい場合にも、記念日マーケティングの手法が利用できるでしょう。
商品販売を拡大できる
記念日に合わせたキャンペーンとイベントを実施することで、顧客が商品・サービスを購入するきっかけ作りが可能です。
記念日マーケティングを実施し、記念日が周知されると、顧客は記念日に合わせて商品・サービスを購入するようになるので商品販売の拡大につながります。
03記念日マーケティングの手法
では、実際の記念日マーケティングの手法について紹介していきます。
- 目的を考える
- 日付を設定する
- 認定を受けたい場合は「一般社団法人日本記念日協会」へ申請する
- 記念日のPR活動をする
- 継続的にPRやイベントを実施する
- データを分析する
目的を考える
記念日マーケティングでは、目的を明確にすることが大切です。
始めに記念日マーケティングに取り組む目的を明確にすることで、イベントやキャンペーンなど戦略が立てやすくなるからです。
目的が決まったら、PR方法やイベント・キャンペーンなどの戦略も考えます。
戦略を立てる際にポイントとなるのは「記念日マーケティングを通じて顧客にどのような価値を提供するか」です。
提供したい価値が決まれば、戦略を立て、SNSやメールなどを活用して情報を発信しましょう。
日付を設定する
記念日の日付は、商品・サービスに関連するものか、語呂合わせなどその商品・サービスを連想させるものが良いでしょう。
いい日付が見つからない場合は、バレンタインデーやハロウィンなど、すでに大衆に認知されている既存のイベントの日付に重ねて設定するという戦略もあります。
記念日の設定で気を付ける点はすでに存在する記念日と重なっても、新たに制定した記念日に注目が集まるかです。
競合他社と同じ記念日や、クリスマスなど大きなイベントが重なっている場合は、新たな記念日に注目が集まらない可能性もあるので、十分に現状分析してから記念日を設定しましょう。
認定を受けたい場合は「一般社団法人日本記念日協会」へ申請
記念日の認定を行う任意団体に「一般社団法人日本記念日協会」があります。
記念日の制定に登録の義務はありませんが、登録することでオフィシャルな記念日としてPRしやすくなるでしょう。
記念日に登録料するには、1年間に1件のみ登録する場合は15万円の登録料が必要です。
「一般社団法人日本記念日協会」から5年ごとに記念日を継続するかどうかの意思確認があります。
記念日の認定を継続する場合でも、更新料は発生しません。
「一般社団法人日本記念日協会」に申請して認定されると、登録証が交付され一般社団法人日本記念日協会の公式WEBサイトに名称や日付、由来などの情報が掲載されます。
記念日のPR活動をする
記念日の日付が決定したらPR活動を開始します。
プレリリースで記念日と、それに関連したイベント・キャンペーンなどの情報も発信してください。
PRでは、何を伝えているのかが分かるように発信することが大切です。
オリジナル性の高いイベントやキャンペーンを実施して、より多くの関心が集まるよう工夫しましょう。
具体的なPR活動については、後ほど説明します。
継続的にPRやイベントを実施する
記念日を定着させるためには、毎年の記念日に継続してイベントやキャンペーンを実施することが大切です。
消費者に特別な日と意識させるために、毎年の記念日にイベントやキャンペーンを繰り返し行い、消費者に記念日を定着させましょう。
記念日が消費者に認識されると、商品・サービスを購入するきっかけとなるので、売上のアップが見込めます。
データを分析する
新しい記念日を定着させるために実施したイベントやキャンペーンが終った後は、どのくらい記念日が話題となっていたかデータを分析して評価をしましょう。
データ分析では、記念日に関するSNSやWEB上の発信やシェア数、イベントやキャンペーン中の売上高、消費者調査などの数値が参考になります。
問題点があれば改善して、翌年の施策に生かしましょう。
04記念日の認知を高めるPR活動
記念日の制定後は、記念日の認知を広めるためにPR活動が必要です。
記念日の認知を図るPR活動として、主に3つの方法があります。
- SNSやマスメディアを利用して記念日をPRする
- 記念日に合わせロゴやパッケージデザインを変更する
- 記念日の前に広告キャンペーンを実施する
SNSやマスメディアを利用して記念日をPRする
記念日を制定した企業は、記念日にさまざまなイベントを開催しています。
記念日と実施されるイベントの情報を広めるため、TwitterやInstagramなどSNSの利用や、ラジオの公開生放送などマスメディアを通じたPR活動を展開しましょう。
スターバックスの例では、シアトルで創業したことを記念した「シアトルコーヒーの日」を制定し、その日に合わせて限定メニューやグッズの発売をしています。
SNSでシアトル創業時の写真やエピソードを共有するキャンペーンも実施していました。
記念日に合わせロゴやパッケージデザインを変更する
記念日を周知するため、記念日前後の期間に限定してホームページのデザインやロゴ、商品のパッケージのデザインを変更し、PR活動を行う企業もあります。
Googleでは、ハロウィンの日に特別にデザインやアレンジされたロゴに変更。
アレンジされたロゴには、豆知識やゲームが隠れており、ユーザーの興味を引くよう工夫されています。
その他にもコカ・コーラはクリスマスを特別な日としており、その時期が近付くと限定パッケージにしたり、クリスマスを意識したCMに変更したりして、記念日マーケティングのキャンペーンを行っています。
記念日前に広告キャンペーンを実施する
記念日前の広告キャンペーンで、記念日への顧客の期待感が高められます。
Amazonは年に1度Amazonプライムデーを設け、プライム会員向けた限定セールやイベントを実施しています。
この限定セールやイベントの前に、SNSやメールでセール情報と、特別なオファーを届けることで、顧客の期待感を高めAmazonプライムデーの売り上げアップに成功しました。
2018年と2022年のAmazonプライムデーの売上を比較すると、2022年の売上は2018年の3倍、73億ドル(約1兆100億円)に伸びています。
05記念日のイベント活動
記念日のイベント活動には、大きく分けて3つの種類があります。
記念日を制定した目的に合わせ、複数のイベントを組み合わせて実施しても良いでしょう。
- お買い得セールやクーポンを配布する
- プレミアム特典や特別メニューを提供する
- オンラインやオフラインでイベントを開催する
お買い得セールやクーポンを配布する
記念日に合わせお買い得セールやクーポンを配布するイベントも、記念日を定着させるのに有効です。
お買い得セールやクーポンの配布は、企業が新たに制定した記念日に加え「クリスマス」や「バレンタインデー」など、顧客の購買意欲が高まるタイミングで既存の記念日と結びつけて実施しても良いでしょう。
具体的な方法としては、クリスマスやバレンタインデーに限定セットやグッズを販売する、記念日に利用できるクーポンを配布するなどがあります。
お買い得セールやクーポンを配布した後は、「どの程度売り上げが伸びたのか」「クーポンの利用率はどのくらいか」を分析して、次の記念日マーケティングの施策に役立ててください。
プレミアム特典や特別メニューを提供する
プレミアム特典や特別メニューを用意するのも、記念日の特別感を演出するのに効果的です。
プレミアム特典や特別メニューで集客するには、事前のPR活動が重要になります。実施している企業の例として、ディズニーランドは「創立記念日」に合わせた限定メニューや特別なデコレーションメニューを提供しています。
記念日にプレミアム特典や特別メニューを提供すると、顧客も記念日を認知しやすく、特別な日として印象に残すことができるでしょう。
オンラインやオフラインでイベントを開催する
記念日には、コンテスト・交流会・体験型イベントなどがオンラインやオフラインで行われています。
実施している例では、スポーツ関連の商品を販売するNikeが「日本版スニーカーズアプリ5周年」を記念して、オンラインのクイズ大会を計画。
もう1つの例として、森永製菓株式会社が、バレンタインデーに合わせて乃木坂46とコラボしたオンラインイベントを計画しています。
06記念日マーケティング成功のポイント
記念日マーケティングを成功に導くためのポイントについてもお伝えしましょう。
成功のポイントは4つあります。
- 目的に合わせた戦略と施策を考える
- 商品・サービスと関連する日付に制定する
- 継続してイベントを行う
- 消費者参加型のキャンペーン等を実施する
目的に合わせた戦略と施策を考える
記念日マーケティングの大きな目的は、ブランディングと販売促進です。
記念日マーケティングでは、この目的を達成できる戦略と施策を考える必要があります。
そのために、まずは自社を取り巻く現状を分析してターゲットを選定。
その上で、ターゲットが良く利用するSNSやWEBサイトを活用したPR活動と、興味を引くコンテンツ内容制作、イベント計画立案など、ターゲットが記念日を認知し、商品・サービスを購入するきっかけ作りになる戦略と施策を考えましょう。
商品・サービスと関連する日付に制定する
記念日は、商品・サービスと関連した日付に制定しましょう。
関連する日付に記念日を制定すると、消費者も記念日を覚えやすく、認知されやすくなります。
海の日や敬老の日など既存の記念日と重ねて制定する場合でも、商品・サービス・企業のどれかに関連を持たせる日付にしましょう。
既存の記念日と同じ日付にする場合は、イベントの数が増えるため、その兼ね合いにも注意してください。
継続してイベントを行う
記念日マーケティングは、1年だけで記念日を認知してもらうための活動を終えるのではなく、継続的に活動を続ける必要があります。
消費者に記念日を認知してもらえるよう、SNSや公式WEBサイトを通じて定期的に記念日に関連する情報を発信したり、特別なオファーを提供したりするなど消費者の興味を引き続ける努力をしましょう。
活動を継続していると、企業が制定した記念日が定着し、記念日マーケティングで成功できるでしょう。
消費者参加型のキャンペーン等を実施する
制定した記念日を広める方法として、消費者参加型のイベントやキャンペーンを取り入れてみましょう。
消費者参加型のキャンペーンやイベントを実施するメリットは、参加者との関りが強くなり、顧客のロイヤリティーが形成しやすくなることです。
さらに、参加者同士の交流により、情報共有や拡散が期待できます。
その結果、新規顧客の獲得に成功できるかもしれません。
顧客と企業との関係を密にすると、制定した記念日もより認知されやすくなるでしょう。
07記念日マーケティングの事例
企業が実施している記念日マーケティングで成功している事例6つをご紹介します。
- ポッキー&プリッツの日(江崎グリコ株式会社)
- ダースの日(森永製菓株式会社)
- きのこの山の日(明治株式会社)
- 焼肉の日(焼肉関連企業)
- ONE PIECEの日(株式会社集英社)
- フォーの日(エースコック株式会社)
ポッキー&プリッツの日(江崎グリコ株式会社)
江崎グリコ(株)が1999年より11月11日に実施しているのが「ポッキー&プリッツの日」です。
ポッキーとプリッツの形が数字の「1」に似ていることから、この日に制定されました。
記念日には、SNSなどオンラインを活用した視聴者参加型のイベントが毎年おこなわれ、広く認知されています。
江崎グリコ株式会社の記念日マーケティングが成功した要因として、2つ考えられます。
1つ目は、毎年継続してPR活動を続けていること、2つ目は、視聴者参加型イベントで視聴者同士のつながりが強化され、顧客のロイヤリティーが育成されていることです。
ダースの日(森永製菓株式会社)
森永製菓株式会社は、12月12日を「ダースの日」として記念日に制定しています。
「ダース」は粒チョコレートが12個入ったお菓子です。
2020年の「ダースの日」には、若手俳優を起用したキャンペーンや、オンラインで一緒に「ダース」を食べるイベントを開催し、顧客の関心を集めました。
森永製菓株式会社は、参加者同士が交流できるイベントを計画したことで、ブランドの認知向上と、商品の購入促進に成功しています。
きのこの山の日(明治株式会社)
「きのこの山の日」は、2016年に明治製菓株式会社が制定した記念日です。
同日に、国民の休日として「山の日」が制定されたことに合わせてこの日に決定されました。
しかし、法律の改正で「山の日」の日付が3度変更になり、そのたびに再申請を行い「一般社団法人日本記念日協会」より正式な記念日として認定されています。
毎年、記念日にはキャンペーンを実施し、消費者に「きのこの山の日」が認知されるよう力を入れています。
「きのこの山の日2021」では、再登録された記念に「きのこの山と記念日登録証QUOカードが当たるフォロー&リツイートキャンペーン」が実施されました。
明治製菓株式会社は、消費者の投票で結果が決まる「きのこの山vsたけのこの里」キャンペーンなど、消費者参加型のユニークなイベントを開催し注目を集めています。
焼き肉の日(全国焼肉協会)
「焼肉の日」は、1993年に全国焼肉協会によって制定された記念日です。
日付は、8(や)き29(にく)のごろ合わせで決定。
この日には、焼肉に関連する企業が特別メニューの提供や、飲食代の割引等を行うなど、消費者も楽しめるイベントで盛り上がりを見せます。
「焼肉の日」は、焼肉を楽しむだけでなく、焼肉文化を広める記念日としても注目されています。
ONE PIECEの日(株式会社集英社)
株式会社集英社が制定した記念日「ONE PIECEの日」は、この漫画の連載が始まった7月22日に決定されました。
2023年には「ONE PIECEの日」を記念して2日間に渡りリアル配信を行い、ファン同士が作品への熱い思いを共有する場を提供。
こうしたファン同士が交流できる場を提供することで、作品との結びつきが深まり、顧客のロイヤリティーも向上しています。
フォーの日(エースコック株式会社)
エースコック株式会社は、自社の手がけるフォーのブランド「Pho・ccori気分」(現在は「ハイノおもてなし」シリーズ)を展開。
自社で製造しているフォーシリーズのPRとブランディングを行う目的で、数字の4(フォー)にかけて4月4日をフォーの日に制定しました。
日本で開催されているベトナムフェスティバルに出店し、ベトナム国内で高いシェアを獲得している自社製品の販売や、商品が当たるイベントを開催。
毎回、商品が完売するほど好評を得ています。
- まとめ
- このコラムでは、記念日マーケティングを実施する企業側のメリット、手法、成功するためのポイントをお伝えしました。
- 記念日マーケティングは、コストを抑えて商品・サービスのブランディングや販売促進を図る手法です。
- SNSの使用が一般化し、消費者が自由に情報の検索や、発信が行えるようになってきた現在では、記念日マーケティングは効果の高い手法と言えます。
- 企業が記念日マーケティングを成功させるには、目的を決めてから必要に応じてSNSやWEBサイト活用し、記念日の認知度を上げることが大切です。
- 低コストで効果的なマーケティングに取り組みたい人は、このコラムを参考に「記念日マーケティング」を実践してみてはいかがでしょうか。
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