マーケティングにおけるCPAとは?正しい設定方法と改善策5選
マーケティング用語としてよく耳にするCPA。
とはいえ、誰もが内容を深く理解しているとは言い切れません。
そこで今回は、CPAと混同されがちなCPOやCPRなどとの違いを踏まえたうえで、正しい設定方法や改善策についてまとめてみました。
01CPAとは?
CPAとは、Cost Per Action/Cost Per Acquisitionの頭文字をとった略語で、日本のマーケティング用語では「顧客獲得単価」と呼びます。
1件のコンバージョンを獲得するのに一体いくらの費用がかかったのか、広告の費用対効果を算出した数値、と言った方がイメージしやすいかもしれません。
CPAは広告を配信した後の検証としてはもちろん、予算を組む際にも欠かせない数値です。
ちなみにコンバージョン(CV:Conversion)とは、マーケティングにおける「成果」を指しています。
▼コンバージョンの一例- 商品の購入
- サービスの申し込み
- アプリのダウンロード
- 会員登録
- 資料請求
CPAの計算方法
CPAは、下記の計算式に当てはめて算出します。
▼CPAの計算方法広告費用÷コンバージョン数=CPA |
例題として、100万円の広告費用を支払って100件のコンバージョンを獲得したケースを上記の計算式に当てはめてみましょう。
1,000,000円÷100CV=10,000 円 |
1件のコンバージョンを獲得するのに1万円の広告コストがかかっていますので、CPA=1万円となります。
02CPO・CPR・CPC・ROAS・LTVとの違いとは?
Webサイトや動画コンテンツなどで広告を運用するなら、CPAと混同されがちなマーケティング用語についても把握しておきましょう。
ここでは、CPAとの違いが一目で分かるよう、各マーケティング用語が表している「意味」と「計算式」を一覧表にまとめてみました。
用語 | 意味 | 計算式 |
---|---|---|
CPA | ・CV1件あたりの広告費用 ・Cost Per Actionの略語 |
広告費用÷コンバージョン数=CPA |
CPO | ・注文1件あたりの広告費用 ・Cost Per Orderの略語 |
広告費÷注文件数=CPO |
CPR | ・申し込み1件あたりの広告費用 ・Cost Per Responseの略語 |
広告費÷申し込み件数=CPR |
CPC | ・クリック1回あたりの広告費用 ・Cost Per Clickの略語 |
広告費÷クリック件数=CPC |
ROAS | ・広告費用の回収率 ・Return On Advertising Spendの略語 |
売上÷広告費×100=ROAS |
LTV | ・顧客から生涯にわたって得られる利益 ・Life Time Valueの略語 |
平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間=LTV |
なお、LTVはリピーターを増やす施策で重視されますが、他のマーケティング用語は主に新規顧客が対象です。
03マーケティングにおけるCPAの重要性
なぜCPAは、デジタルマーケティングにとって重要なのでしょうか?
その理由は、Webサイトや動画コンテンツといったあらゆるオンラインチャネルにとって、広告運用が欠かせない存在になっているからです。
定番のリスティング広告やSNS広告などはもちろん、「コンバージョンの獲得に必要な費用」という意味ではインフルエンサーマーケテイングなども対象になるでしょう。
CPAは、目標にしている成果を達成するために配信する広告や施策について、「費用対効果の良し悪し」を判断する指標です。
CPAが低いほど高い効果を発揮しており、反対にCPAが高ければ見直す必要があります。
つまり、予算を組む段階で正しいCPAが設定できれば、必要最低限の費用で最大の成果を上げることができるのです。
04CPAの正しい設定方法
CPAの目標値は、下記の3ステップに沿って設定しましょう。
▼CPAを設定する手順- 「限界CPA」を設定する
- 「目標利益率」を設定する
- 「目標CPA」を割り出す
なお、ここでは前提条件を下記のように仮定します。
▼ケーススタディの前提条件- コンバージョン:販売/資料請求
- 売上単価:1万円
- 原価:3,000円
- 目標利益額(確保したい利益額):2,000円
- 資料請求からの成約率:50%
- 他経費:1,000円
「限界CPA」を設定する
限界CPAとは、1件のコンバージョンに対して最大限かけられる費用、つまり利益が±0となる損益分岐点の値です。
ただし、販売や申し込みといった「売上になるCV」と、資料請求や問い合わせといった「売上にならないCV」とでは、限界CPAを求める計算式が異なります。
売上が発生するCVの場合
販売・申し込み・有料会員登録・有料アプリのダウンロードなど、コンバージョンが売上につながる場合は、下記の計算式で限界CPAを算出します。
売上単価-原価-他経費=限界CPA |
ケーススタディの前提条件を上記の計算式に当てはめると、限界CPA=6千円となります。
10,000円-3,000円-1,000円=6,000円 |
売上が発生しないCVの場合
一方、資料請求・問い合わせ・無料トライアルなど、コンバージョンが売上につながらない場合は、下記の計算式で限界CPAを算出します。
(売上単価-原価-他経費)×資料請求からの成約率=限界CPA |
ケーススタディの前提条件を上記の計算式に当てはめると、限界CPA=3千円となります。
(10,000円-3.000円-1,000円)×0.5=3,000円 |
「目標利益率」を設定する
結論から言うと、目標利益率は限界CPA の50%未満に設定するのがセオリーです。
目標利益率が高ければ高いほど、広告に割ける費用が(最終的に算出する目標CPA)が少額になってしまいます。
あまりに広告費が少額では、リーチ(ユーザーへの到達率)自体が乏しくなるため、多くの成果は望めません。
今回のスタディケースでは、目標利益率を40%と仮定してみましょう。
「目標CPA」を設定する
最後に、あらかじめ算出しておいた限界CPAの内、どの程度を広告費に充てるのか、目標CPAを設定しましょう。
つまり、目標CPAとは1件のコンバージョンを得るためにかける「費用の目標金額」にあたります。
目標CPAを算出する方法は、「目標利益額」を用いる計算式と「目標利益率」を用いる計算式の2種類があります。
「目標利益額」から目標CPAを設定する方法
目標利益額から目標CPAを設定する場合は、下記の計算式で算出します。
限界CPA-目標利益額(確保したい利益額)=目標CPA |
ケーススタディの前提条件を上記の計算式に当てはめた結果は、下記の通りです。
売上げが発生するCV:6,000円-2,000円=4,000円 |
売上げが発生しないCV:3,000円-2,000円=1,000円 |
「目標利益率」から目標CPAを設定する方法
一方、目標利益率から目標CPAを設定する場合は、下記の計算式で算出します。
限界CPA×(100%-目標利益率)=目標CPA |
ケーススタディの前提条件を上記の計算式に当てはめた結果は、下記の通りです。
売上げが発生するCV:6,000円(100%-40%)=3,600円 |
売上げが発生しないCV:3,000円(100%-40%) |
05CPAの改善ポイント
最後に、CPAを改善する方法についてご紹介します。
1件のコンバージョンを獲得するために必要な広告コストを抑える、つまりCPAを下げるには下記の対策が有効です。
▼CPAの改善ポイント- 広告クリエイティブの質を高める
- キーワードを見直す
- ターゲット(ペルソナ)を見直す
- コンバージョン数を増やす
- 費用対効果の低い広告費をカットする
広告クリエイティブの質を高める
広告クリエイティブとは、広告に掲載する文章やデザインを指しています。
コンバージョン率の高い広告を配信するには、ユーザーにアクションを促すデザインが欠かせません。
コピーライティング・イラスト・色選び・配置する位置・配信する時間帯などはもちろん、最近ではアニメーションなど動きを取り入れた広告も増えており、より専門的なスキルが必要です。
「社内には広告クリエイティブに優れた人材がいない!」という場合は、プロである広告代理店への外注を検討してみましょう。
キーワードを見直す
失敗例として意外と多いのが、思い込みや先入観だけでキーワードを選定しているケースです。
中でも、「キャッチコピーを変えてもクリックされない!」あるいは「広告文を修正したのに成果が変わらない!」という場合は、キーワードの適正を見直す必要があります。
ターゲットへのリーチを増やすには、キーワードプランナーなどの専用検証ツールを活用するのが鉄則。
検索ボリュームや競合性の難易度を踏まえたうえで、メインキーワードと関連性の高い単語を組み合わせるのがコツです。
ターゲット(ペルソナ)を見直す
「広告はクリックされるのにCVにつながらない…」という場合に多いのが、ペルソナの設定ミスや曖昧になっているケースです。
そもそも、マーケティングにおけるターゲットとペルソナは全く違います。
- ターゲット:性別や年齢層といったザックリとした項目のみ
- ペルソナ:上記に加え、ライフスタイル・年収・関心の傾向などを詳細にリサーチしている
ターゲティングを見直す際は、下記のようなファクトデータを活用しましょう。
- 広告経由でコンバージョンに至った、ユーザーの属性
- 既存の顧客データ
- お問い合わせの履歴
コンバージョン数を増やす
まず大前提として広告コストは分母、コンバージョンは分子に当たります。
だからこそ、CPAを下げて利益率を高めるにはコンバージョン数を増やすのが近道。
コンバージョン数を増やすには、下記のような対策が効果的です。
- 高いコンバージョンを誇る広告掲載先により費用を投じる
- 新しい広告掲載先を探す
- 集客商品を先に購入してもらう
費用対効果の低い広告費をカットする
反対に、分母にあたる広告費を削減するのもCPAを下げる効果的なマーケティング手法です。
ただし、CPAが高くて費用対効果が低いからと言って、すべての広告を一度に停止するのはおすすめできません。
たとえば、コンバージョンである商品の購買が伸び悩んでいる場合に、広告を完全に停止したとしましょう。
このケースでは、コンバージョンの前段階である全体のCVR(コンバージョン率)だけでなく、CTR(リック率)まで激減しかねません。
費用対効果の低い広告を停止する際は、下記のサイクルでトライ&エラーを繰り返しながらCPAを改善していきましょう。
- 効果の低い広告を停止
- 新たな広告の追加
- 効果の低い広告を停止
- まとめ
- CPA(顧客獲得単価)は、マーケティングにとって最も重要な要素と言っても過言ではありません。
- 事実、プロとしてマーケティングを請け負っている代理店では、常にCPAを検証しています。
- 少ない費用でより多くのコンバージョン数を獲得するには、CPAの最適化が欠かせないのです。
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