ECマーケティングとマーケティングの違いとは?成功例から解説
商品・サービスの情報収集から購入まで、今やネット中心の消費行動が全世代Jにおいて主流になりつつあります。
WEBサイトを活用するECマーケティングは、売り上げ向上に欠かせない販売戦略と言えるでしょう。
ECマーケティングについての理解を深めておくことは重要です。
従来のマーケティングとは何が違うのか?その特徴やメリット・注意点、そして活用法について成功例を参照しながら分かりやすく解説します。
01ECマーケティングとマーケティングとはココが違う!
インターネットの普及により、実店舗や訪問営業といった対面販売からオンラインによる非対面の販売へとマーケティングのスタイルも変化してきました。
そこでポイントとなるのが、新たな経営戦略であるECマーケティングです。
そもそもECマーケティングとは?
ECマーケティングのECとは、「electronic commerce=電子商取引」のイニシャルです。
ECマーケティングは、インターネットをはじめとするコンピューター上での電子システムによって、商品・サービスの売買を取引することを意味します。
つまり、ECサイトを有効活用するためのマーケティング施策を指し、非対面(チャットやバーチャル世界での対面も含む)による販売チャネルを媒体にした営業戦略です。
ECマーケティングとマーケティングはココが違う
まず初めに押さえておきたいのは、ECマーケティングが従来のマーケティングとどう違うのかということです。
ポイントは次の4つ。
- 全世界が商圏(グローバルな市場)
- 徹底敵に絞り込んだターゲティング
- WEB完結のマーケティング
- 迅速で的確なデータ処理・分析
全世界が商圏(グローバルな市場
ECマーケティングは、インターネット環境が敷設されている場所であれば、世界中どこでも宣伝・販売活動が可能です。
実店舗といった商圏(営業の場)を現地展開せずとも、ネットユーザーがアクセスできさえすれば世界中の人に営業活動が実践できます。
しかも、ECサイトの運営はコストや人材の負担も低く、取り組み方次第では中小企業や個人事業でも大手企業並みの業績を得るチャンスがあります。
ターゲットとするエリアの言語対応、物流・配送ルートの確保、通貨レート対応などを準備することで、すぐにでも海外進出できるのが大きなメリットです。
徹底したターゲティング
最近はAIを活用することで、ネット上に蓄積された膨大なデータからピンポイントのターゲティングが可能になりました。
従来のマーケティングでは、ターゲットを絞り込む手段が確立されていないため、絞り込めば絞り込むほど『当たり・ハズレ』のギャンブル性が高くなるリスクがありました。
しかし、ECマーケティングではキーワード設定などによるSEOや、AIサポートの広告サイト展開、インフルエンサーなどのアフィリエイト広告などによって、かなり絞り込んだターゲティングが実戦できます。
ただしターゲティングの精度が高まっても、基本的には集客の難易度が高いという課題が残されています。
WEB完結のマーケティング
世界中に宣伝・販売網を手軽に拡大できることと同時に、商取引のプロセスが全てWEB上で完結できるというメリットも得られます。
ECサイトを設定した宣伝・販売のエリアに最適化すれば、ターゲットが自らモバイル端末(PC・スマートフォンなど)でアクセスしてきて、非対面でも接客・契約販売(WEB決済を含む)・アフターケアまで完結できるのです。
迅速で的確なデータ処理・分析
運営するECサイト、外注に出した広告依頼や販売サービスなど、消費者がネット上で取った行動の足跡は全てデータ化され、リアルタイムでのデータ分析が可能です。
『どのチャンネルからアクセスしてきて、どのような閲覧状況だったのか、コンバージョンへと至った経緯や顧客の情報を集約し、論理的に分析する』
ECマーケティングは、実にこの分野でのポテンシャルが非常に高いです。
随時に分析結果をマーケティング戦略へフィードバックすれば、さらなる業績アップへとつながります。
02ECマーケティングの手法と用語について
ECマーケティングの要点は、自社が展開するECサイトにおける集客数を高めることです。
世界中でターゲット展開が可能な営業ツールという利点を活かし、いかに見込み客を集めるかが最大のテーマになると言えるでしょう。
そして、集客数におけるCVR(コンバージョン率)の向上と顧客のリピート化をもって売り上げアップに取り組みます。
そこで、集客とCVR向上、リピート層獲得の3点における手法と用語について確認しておきましょう。
*CVRとは、サイトにアクセスした方がWebサイトの期待する行動に応じた比率のこと
集客対策で使われる手法
ECマーケティングではターゲット絞り込みが徹底できるメリットがある一方で、他社との競合性が高まるという難点があります。
いわゆるキーワード検索(設定キーワード主体の集客方法)では、無数の競合他社が検索エンジンの検索結果ページにラインアップされます。
もちろん、大手ECモールも大きな競合相手ですので、いかに集客対策を講じるかが成否を分けます。
広告
集客でメインとなるECマーケティング手法として広告が挙げられます。
ネット広告の手段としては、主に次の4つが実践されます。
成果報酬型の広告で、アフィリエイターに自サイトへのリンク付き広告を貼ってもらいます。
キーワード検索での上位表示サイトを選んで広告依頼をすると、集客数アップにつながります。
SNS上で活躍するインフルエンサーなどに、アカウント上で商品・サービスのあっ旋をしてもらいます。
コメント欄やハッシュタグを活用し、口コミでの情報拡散が期待できます。
各キーワード検索による表示ページに、設定キーワードと連動して上位掲載してもらう広告です。
SEOに関係なく、入札で上位表示が可能というメリットがあります。
キーワード検索結果ページやWebサイト・ブログ記事に設定された広告枠に表示される広告バナーを用いた手法です。
広告バナーには自社の広告サイトのリンクが貼り付けてありますが、一般的にはクリック率が低いというデメリットがあります。
ただし、社名や商品の周知・認知には大いに適した手法です。
コンテンツマーケティングとSEO
コンテンツマーケティングはネット広告と並行して行うと集客率がアップします。
基本的にはターゲット層に適したECサイトを運営し、広告とリンクして集客を行います。
そこでポイントとなるのがサイトに掲載するコンテンツの内容です。
自社の商品・サービスを魅力的にアピールする内容であると同時に、キーワード検索で上位表示されるためのSEOを徹底する必要があるでしょう。
*SEOとは、検索プロバイダー(検索エンジン)の検索アルゴリズムに適応させ、上位に表示させることを目的とした対策のこと
アクセスデータ分析(トラッキング)
ECマーケティングの重要ポイントとしてデータ分析があります。
特に自社サイトへのアクセスデータ分析は売り上げに大きく関わります。
ECマーケティングのでは、いわゆるビッグデータを利用したり、自社が展開したりする広告サイト全般から収集される膨大なデータの処理・分析がポイントです。
ターゲティングの設定から、広告コンテンツの作成、コンバージョン(ユーザーの販売に関する行動)への誘導の仕組みまで、その現状分析を徹底することで、より顧客に合ったECマーケティング戦略が構築されます。
具体的には、PV数(ページの閲覧回数)やユーザーのサイト内行動・各ページの平均滞在時間、直帰率や離脱率といったデータを分析し、どの部分をどう改善すべきかを検証します。
購入・CVR(コンバージョンレート)向上で使われる手法
Webサイトの目的は、会社や商品・サービスの周知と、その契約・購入など売り上げにつながるユーザーの行動(コンバージョン)を喚起することです。
このコンバージョン率(CVR)を向上させるための対策はとても重要です。
LPO(ランディングページ)の最適化
LPOとは、ユーザーがはじめにアクセスする自社サイトのページ(ホームページなど)の最適化を意味します。
このページの出来いかんによって、CV率が大きく変わります。
ユーザーが興味を持たなければ、すぐにページを離脱しますし、コンベンションにつながるアピール力がなければ『・・・なるほどね』とページから去ってしまうでしょう。
なお、LPの効果の目安は次の項目から得られます。
UI(ユーザーインターフェース)・UX(ユーザー体験の利便性や満足度)の見直し 改善
UI(ユーザーインターフェイス)とはアクセスしたユーザーと自社商品・サービスとの接点のことで、サイトがいかに使いやすいかを追求する必要があります。
例えば、WEBサイトのレイアウトやテキスト(フォントサイズ・色・文章など)、また広告サイトでは画像の説得力が重要ですし、クリックアイコンの操作の利便性も工夫します。
- 商品・サービスの購入喚起へ至る情報提供
- 情報の分かりやすさと正直さ
- 価格の明記(税込など)
- アイコンクリックや入力の分かりやすさ・容易さ
つまり、ECサイトのユーザビリティを徹底することが重要です。
注文ボタンの設定が適切だとか、決済までの手順が簡潔などの工夫で、ユーザーはよりコンバージョンへ向かいやすくなります。
ECサイト内機能の充実
ECサイト内には様々な情報があり、それを見るための検索機能を使いやすいように設定する必要があります。
特にレコメンド機能を工夫するのは重要です。
*レコメンド機能とは商品・サービスをおすすめする機能(閲覧の仕組み・カートの設定・情報定休のときの自動メール配信など)
例えば、カゴ落ち対策機能があります。
『ユーザーがカートに商品を入れても何故か購入につながらない』といった課題がある場合、その原因追求と改善方法を見つけ出すことに役立ちます。
このように、サイト内の機能を適宜選択し設定すること、それをいかに活用するかもECマーケティングの成功のポイントです。
レスポンシブ対応
レスポンシブ対応は今やECマーケティングの必須条件です。
最近はスマートフォンで情報から商品・サービスの選択、そして購入・契約から決済までを済ませるケースが増えています。
パソコン画面をベースにサイト作成をするだけでは不十分で、ㇲマートフォンやタブレットでも見やすいサイトを用意しなければなりません。
つまり、横長のパソコン画面と縦長のスマートフォンの用法のデイバイスに適したサイトを作ることになります。
HTML/CSS上のコーディングによって、どのデイバイス画面にも適したサイト表示が可能です。
再訪・リピート化
売り上げを拡大させる要素として、初見の顧客のリピート化があります。
ECサイトでは、各商品のリピート層獲得を図る工夫が大いに効果を発揮します。
メルマガ
メルマガは、既存の顧客をリピーターとしてつなぎとめておく有効な手段です。
メルマガを読んでくれる顧客は自社への関心が高まり、詳しい説明をもってさらに理解を深めてもらえます。
自社ブランドや商品・サービスへの愛着を持ってもらうことで、お得意様として末長いお付き合いが可能になります。
最近のメルマガの自動配信ツールには、魅力アップのテンプレート集など、メルマガ作成に便利な機能が搭載されていますので有効活用していきましょう。
クーポン・会員ポイントの付与
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、過去に自社ECサイトで閲覧した商品・サービスの広告を別サイト閲覧中に表示させる手法です。
これは、一度はサイトへアクセスしたけれど迷ってしまい購入に至らなかった方に有効です。
『あの時は買わなかったけれど、今見るとやっぱり欲しいな・・・』と思うユーザー心理に訴求する効果があります。
03ECマーケティングの問題点と解決手段
ECマーケティングは効果の高い販売戦略の重要手段でありますが、まだ歴史が浅いことから問題点・課題も残っています。
そこで、取り組むべき課題とその解決法を挙げてみましょう。
ECマーケティングの問題点
- AI・ビッグデータを活用しても、販売実績を上げるほどの集客は困難
- 効果が上がるまでに時間がかかり、徹底するほどコストがかかってしまう
2021年度に株式会社ネオマーケティングの実施した『EC運用の悩み調査』によりますと、以下の3つがECサイト運営者の問題点として挙げられています。
- 新規顧客獲得(回答者全体の15.9%)
- 運用リソース不足(14.5%)
- サイト集客(13.6%)
販売実績を上げるほどの集客は困難
インターネット上では、同じカテゴリーで経済活動をする企業が無数にECサイトを展開しています。
競合相手が多すぎるために一般消費者の目に触れることが困難で、サイトへの集客がままならないケースもあります。
その結果、ECサイトによる新規顧客の獲得が思うように伸びない現状があるのも事実です。
実店舗では、『地域の消費者だけをターゲットに営業活動をすれば良い』という分かりやすいマーケティングだったのに対し、ネット上を回遊するユーザーをいかにサイトへ呼び込むか、集客の工夫が課題になっています。
効果が出るまでに時間とコストがかかる
ECマーケティングでは、これまで述べた通り、集客から販売までのプロセス構築への工夫が必須です。
SEOによるキーワード検索の上位表示、インフルエンサーなどのアフィリエイト広告の最適化、各広告ツールのノウハウを運営しながら改善する必要があります。
そのため、効果が出るまでにかなり時間がかかるのが一般的です。
また、技術的な問題や実践ノウハウを構築するにはスタッフの育成や専門家などのサポートも欠かせないので、そのコストが負担になるかもしれません。
解決手段
これらの諸問題の解決策は、上記の『ECマーケティングの用語やツールとは』で挙げた項目を一つ一つ精査し、改善することです。
まず、自社マーケティングの状況を客観的に把握するのが重要です。
アクセス状況から売上状況までを調査して、数字をもとに課題をあぶりだします。
また、競合のECサイトや業績などをしっかりと調査し、何が優れているか洗い出しも徹底しましょう。
その上でECマーケティングの見直しを進めます。
ターゲット(ペルソナ)の作成やサイトコンテンツの改善、広告手法や配信媒体・チャネルの選定も考えます。
サイト運営中は随時データ分析と対策を徹底し、会社全体へのフィードバックを行うのも大切です。
ただし、経験が浅いスタッフだけでは成功までの道筋を見いだせない可能性があります。
実戦的なスキルやノウハウを得るために、各分野で実績のある専門家のアドバイス・サポートを受けることが必要かもしれません。04ECマーケティングの成功事例
では最後に、ECマーケティングの実践で業績を上げた実例を2つ挙げておきましょう。
ZOZOTOWN
国内のアパレルECとしては最大規模を誇るZOZOTOWNでは、各コンバージョンを高めるためにカートまでのアクションが最短になるなどの工夫し、以下の戦略を続々と展開してきました。
・2億円分の商品を無料で提供:このキャンペーンでは『一人一点のみのカート利用』で2万人の見込み客を確保しています。
・個別の割引きサービス『あなただけのタイムセール』:商品を『お気に入り登録』することにより、期間限定の10%オフセールを不定期でメール配信し顧客を惹きつけます。
・後払い決済サービス『ツケ払い』:クレジットカードを利用しない買い物でも、代金の支払期間を最長2ヶ月延長できるサービスを提供し、若者層の拡大に成功しています。
ユニクロ
グローバルな大手アパレル企業ユニクロは、オムニチャネル戦略に成功している企業です。
*オムニチャネルとは、実店舗やカタログ、アプリ、ECサイトなどのすべての接客チャネルで自由に楽しく購入できる状況のこと
・実店舗や広告でECへの誘導を強化、同時にEC側はより深い情報発信を強化する例えば、ECサイトが実店舗では扱っていない商品バージョンを展開したり、商品レビューやコーディネートをユーザーが投稿・閲覧できるようにしたりしています。
閲覧者はサイトを見て、購入する前に評判やコーディネート法を確認できるなど、顧客満足度をアップさせる新しい購入体験を提案。
公式アプリで誕生月の特典クーポン発行や定期的なセールのメール配信をするなど、リピート層の確保にも成功しています。
- まとめ
- ECマーケティングは、今や全ての企業にとって不可欠な手法となっています。
- 大手企業も新規のスタートアップ企業も、ECマーケティングならば同じ土俵で互角に渡り合えるのがメリットです。
- 成功の事例を参考に、より効果のあるECマーケティング戦略の実践をおすすめします。
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