株式会社ナハト

インフルエンサーマーケティングを成果報酬型で依頼するメリットは?

ネット社会の発展につれ、SNS広告の活躍が非常に目立っています。中でも利用するメリットが大きいインフルエンサーマーケティングが注目されています。

低コストで高いCV効果が得られる費用対効果に優れた広告手法ですが、インフルエンサーへの報酬方法をどうするかで成果にも影響があります。 報酬形態は3種類、 成果報酬型と固定報酬型、両者を併用するハイブリット型です。

当記事では成果報酬型のインフルエンサーマーケティングを中心に、それぞれのタイプを比較して解説いたします。


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01成果報酬型のインフルエンサーマーケティングとは?

喜ぶインフルエンサー

インフルエンサーマーケティングを実践する際の費用として、その中心となるのがインフルエンサーへの報酬です。 こちらではネット広告で中心となる成果報酬(アフィリエイト報酬)についてみていきましょう。

インフルエンサーマーケティングを成果報酬で実践する場合、CV(コンバージョン・目標達成)を細かく設定することが可能です。

SNS広告では、成果報酬型広告におけるCV設定は多彩です。主なコンバージョン設定としては次のような目標を設定することができます。

  • ・商品・サービスの購入
  • ・お問い合わせや資料請求などの商談の獲得
  • ・無料体験・試供品の申込み・イベント申込み(見込み客の確保)
  • ・会員登録・メルマガ登録(ユーザー確保)

他にもCV設定は自由に行えますが、ポイントは設定したコンバージョンを達成した場合にのみ報酬を支払うということです。 広告を依頼する企業にとっては、かなり明確なマーケティング戦略が可能となります。 『かける費用と成果が数値上で一致する』のが、成果報酬型インフルエンサーマーケティングの最大の特徴です。

それぞれの成功報酬には項目ごとに単価が設定されます。例えば販売価格1000円の美容グッズをひとつ売ったら、成果報酬100円が発生するといった形です。 この単価はインフルエンサーと依頼者側とで交渉して決めます。

設定するコンバージョン内容によって成果達成の難易度が変わるため、個々の案件ごとに両者が納得できる単価設定をするのがポイントです。


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○主な報酬項目
  • 「いいね!」の数だけ報酬発生
  • 再生数:貼り付けた広告用動画が再生された回数・時間で報酬発生
  • クリック数課金:貼り付けた広告バナーがクリックされるごとに課金
  • 商品購入数に応じて報酬発生

これらの成果報酬は、ブログや広告サイトを運営するアフィリエイターが一般的ですが、最近はTikTokやInstagramで活躍するインフルエンサーの報酬手段としても採用されるようになりました。

その理由としては、企業側が提供する商品・サービスの認知度を高めるブランディング効果にプラスして、さらに広告レスポンスを高めたいというニーズが増してきたからです。 費用対効果の高いアフィリエイト型・成果報酬型広告を、影響力に優れたインフルエンサーで実践することで営業実績を高めることが可能です。

では、次に成果報酬型でインフルエンサーマーケティングを行うメリットとデメリットをまとめておきましょう。


メリット

成果報酬型インフルエンサーマーケティングの主なメリットは3つあります。

  • 1.明確なコンバージョン設定で費用対効果を高められる
  • 2.費用の無駄を回避する
  • 3.インフルエンサークリエイティブの質が向上する


①明確なコンバージョン設定で費用対効果を高められる

フォロワー単価による報酬タイプにしてしまうと、広告の目的を明確化することが困難になりがちです。 商材の知名度アップと販売促進とでは、展開する広告の内容も大きく変わってきます。目的と報酬形態を結びつけると、インフルエンサーのコンテンツ内容が明確に定義付けされます。

なお、達成度を数値で判断する点も依頼者側のメリットで、あいまいな結果を回避する効果もあります。


②費用の無駄を回避し、企業のリスクが少ないこと

インフルエンサーマーケティングを実践している企業では、しばしば費用面での問題が発生しています。 フォロワー単価で報酬を支払ってしまうと、求めるコンバージョン率に届かない場合にコスト高になる傾向があるのです。しかし、成果報酬型にすることでこの問題が解決します。

また、予算の都合でフォロワー数が不足したり、ミスマッチングで求める成果が上がらない場合にも、 得られた成果に対して報酬を出すシステムであれば費用の無駄が回避されます。


③インフルエンサーのクリエイティブの質が向上する

『フォロワー数が多いインフルエンサー=高い成果率』とならないのがSNS広告の難しいところです。期待したPR効果が得られず、売り上げアップにつながらないケースが少なくありません。

これは投稿した広告コンテンツの完成度が不十分であることや、インフルエンサーのミスマッチで生じる問題です。

依頼を受けたインフルエンサーにおいては、すでに報酬が決まっているという安堵感から、コンテンツの影響力や質を高めようとするモチベーションが維持しにくいことがあります。 また、十分にインフルエンサーマーケティングに精通していない未熟さも結果を左右します。

そこで、成果に応じた報酬だけを受け取るとなれば、インフルエンサーは広告コンテンツの完成度にこだわって、 できるかぎり成果アップ重視の作成に専念すると期待できます。


デメリット

成果報酬型インフルエンサーマーケティングでは、次の4つのデメリットに注意してください。

  • 1.成果報酬では影響力の高いインフルエンサーの確保が難しい
  • 2.固定報酬と比べて成果が上がった際の報酬が高額になる
  • 3.広告費用の総額が予想しにくい
  • 4.コンバージョンの質が下がる可能性がある

①成果報酬では影響力の高いインフルエンサーの確保が難しい

インフルエンサーマーケティングに限らず、SNSマーケティングでは広告を請け負う側が成果報酬よりも固定報酬を望む傾向にあります。 それは成果報酬では目標達成へのハードルが高く、なかなか収入につながりにくいからです。

人気商品ならばクリック数や販売数を集めやすいので、成果報酬単価はかなり低めに設定されます。 反対に露出の少ない高額商品や知名度の低い商品では、「いいね!」や、動画再生すらままならないという現実があります。

それよりは、フォロワー数に応じて報酬がもらえる固定報酬型の方がインフルエンサーには魅力的です。フォロワー数が多いインフルエンサーほど、 成果報酬よりも固定報酬を選ぶ傾向があります。


②固定報酬と比べて成果が上がった際の報酬が高額になりやすい

SNS広告ではコンバージョン達成が難しいケースが多く見られます。そのため成果報酬の単価は決して安いものではありません。特に販売における報酬単価は価格の1割以上になる点に注意しましょう。

コンバージョン率を上げるために有名インフルエンサーを起用したところ、人気度が高いインフルエンサーほど単価が上がる傾向にあります。

また、人気インフルエンサーのおかげでブランディングが促進し成果が上がれば上がった分、インフルエンサーへの報酬額が高額になっていきます。 そのため、結果としてコスト高になるリスクもあります。


③広告費用の総額が予想しにくい

成果報酬では、実際に成果が上がった時点で費用が発生します。ですから、時期を区切った予算組みがなかなか正確に出せないことがあります。

もちろん、予算枠に達したら打ち切りとすることもできますが、時間的な予定が立たないのはデメリットです。


④ コンバージョンの質が下がる可能性がある

インフルエンサーが報酬を得るために、利益率を上げる事を第一目標として、投稿の質よりも単純な成果を狙ったコンテンツ造りに走ることがあります。 その場合、成果を求めるあまり自然な訴求ができなくなってしまい、むしろ成果が出なくなってしまいます。

インフルエンサーマーケティングにおいて、過剰に売ることにこだわったクリエイティブを投稿によって売上が伸びることは珍しく、売上が伸びてもファンの獲得や企業の信頼度向上には繋がりません。

02固定報酬型のインフルエンサーマーケティングとは?

商品を紹介するインフルエンサー

インフルエンサーマーケティングの報酬タイプでは、固定報酬型のフォロワー単価を基準として算出されることがもっとも多いです。

この固定報酬型とは、広告案件ごとに事前に報酬額を決定し、その報酬に応じた広告コンテンツを投稿するインフルエンサーマーケティングです。 依頼するインフルエンサーが有するフォロワー数をベースに、フォロワーひとりにつき何円と単価を決めて報酬を支払います。

ですから、あらかじめ依頼費用が明確化され、マーケテイングプランが立てやすく、コスト管理の面でメリットがあります。

なお、現在でのフォロワー単価の相場を確認しますと、おおよそフォロワーひとりにつき1~2円となります。 フォロワー数のボリュームに応じて単価が高くなるのが一般的で、具体的には以下の表のような相場が見込まれています。


〇インフルエンサーのランク別フォロワー単価の相場

種類 ナノインフルエンサー マイクロインフルエンサー ミドルインフルエンサー メガインフルエンサー
フォロワー数 1000人~1万人未満 1万人~10万人未満 10万人~100万人未満 50万人以上
フォロワー単価 1~2/人 1~2円/人 2~3円/人 2~3円/人

フォロワー単価タイプの固定報酬では、インフルエンサーが保有するフォロワー数によってランク分けがなされていて、人数が多いほど単価がアップする傾向があります。 その理由として、フォロワー数は人気度を示し、影響力の広さを表す数値と見なされるからです。

しかもインフルエンサーはカテゴリー別で根強いファン層を獲得していますから、ターゲットを極限まで絞り込むマーケティング戦略が可能です。 インフルエンサーが抱えているフォロワーは全て有望な見込み客となるため、成果が出ようと出まいと、一人に対して何円かの報酬を支払う価値がでてきます。

なお、メガインフルエンサーのクラスになると、フォロワーの中にはナノ・マイクロ・ミドルのインフルエンサーがいるケースが多く、場合によってはメガインフルエンサー同士でフォローし合っています。

他のインフルエンサーが投稿した広告コンテンツを無償で拡散することもしばしばですから、プラスαのフォロワーをあつめる付加価値が生じます。 このような強い波及効果が期待できるため、フォロワー数が多いほど単価が上がるわけです。


関連記事: フォロワー単価とは?インフルエンサーにPRを依頼する報酬の決め方


〇広告案件の内容によって単価が変わる

固定報酬型では、成果の達成については報酬に反映されません。依頼側はある程度の見込みを予定していますが、その成果が達成されなくても決めた通りの報酬が支払われます。

そこでポイントになるのが単価設定です。フォロワー数ごとの相場に応じて単順に報酬設定をすることもありますが、投稿手段やコンテンツの内容によって単価を交渉するのが一般的です。

例えばInstagramで商材を愛用している様子を写真で投稿する場合と、動画で商材の魅力や利用メリット・利用方法などを紹介するのでは単価が違ってきます。 フォロワー数が100万人のインフルエンサーのフォロワー単価は2~3円からが相場ですが、動画で丁寧な商品紹介をする広告なら、報酬費用が跳ね上がることも珍しくありません。


メリット

固定報酬型インフルエンサーマーケティングのメリットは主に次の3つです。

  • 1.インフルエンサーへの依頼がしやすい
  • 2.事前に報酬計算ができるため広告費用の管理がしやすい
  • 3.予想以上の成果が出ても報酬価格が変動しない

①インフルエンサーへの依頼がしやすい

成果報酬型はインフルエンサーにとってハードルの高い依頼であり、あまりやりたがらないのが実情です。 特にメガインフルエンサーのクラスになると、フォロワー単価で安心して高額報酬が得られるため、収入の目途が立ちにくい成果報酬の依頼を敬遠する傾向さえあります。

自社ブランドにピッタリのインフルエンサーを安定して確保するなら、受けてもらいやすい固定報酬プランでインフルエンサーマーケティングを行ってみましょう。


②事前に報酬計算ができるため広告費用の管理がしやすい

固定報酬は契約時に料金が決定しますから、広告活動ごとのコスト管理がしっかりできます。

成果報酬は結果を待たなければ正確な費用計算ができないことを考えれば、マーケティング戦略が立てやすいというメリットがあります。


③予想以上の成果が出ても報酬価格が変動しない

一般的に固定報酬型は、成果報酬タイプよりも成果達成率が低いとされています。 もちろん、他の広告方法に比べればコンバージョン率は高いですが、それでも企画が外れることもあります。ですが、逆に広告効果が高まれば、 予想以上の費用対効果につながることも期待できます。

固定報酬での依頼であれば、大ヒットを記録するような依頼に対しても追加報酬を出しません。はじめに契約した通りの報酬額でOKなのは大きなメリットです。 インフルエンサーマーケティングの宣伝効果は本来高いレベルを発揮しますから、プロデュースが上手くいけば、期待以上の効果が低コストで得られます。

デメリット

固定報酬型のデメリットは主に2つです。

  • 1.成果が出なくても費用が発生し、赤字リスクがある
  • 2.成果設定があいまいで、フォロワーの質を考慮できない


①成果が出なくても費用が発生し、赤字リスクがある

報酬が固定されているため、インフルエンサーのミスマッチングやコンテンツの品質の低さで成果が上がらなくても 費用はそのまま支払われるので赤字になるケースもあります。

成果報酬との決定的な違いは、広告の良し悪しを結果で判断できないこと。インフルエンサーにとってのメリットは、逆に依頼側のデメリットとして現れます。


②成果設定があいまいで、フォロワーの質を考慮できない

フォロワー数で報酬計算をする場合、そのインフルエンサーのフォロワー属性のチェックが重要になります。 つまり、フォロワーの性別や年齢、現住所や趣味嗜好、インフルエンサーへの熱心度など、ターゲット層の絞り込みに必要な情報です。

ですが、このフォロワー属性はインフルエンサー本人だけが確認できる情報であるため、依頼者側からは正確なところが確認できません。

そこで契約時に報酬を固定してしまうフォロワー単価報酬の場合、結果としてどういった人へ広告が届いたのかを知るすべがなく、 成果の分析もままなりません。一方、成果報酬でもこの点は同じですが、あくまでも結果に対して報酬を出すことで費用ロスが発生しません。

なお、フォロワーを購入したインフルエンサーへ依頼してしまうと、フォロワーの質の悪さでまともな成果が上がらない点に注意が必要です。


03インフルエンサーへの報酬以外には何に費用がかかる?

マーケティングにかかるコスト

インフルエンサーマーケティングを実践する場合、インフルエンサーの報酬以外に発生する費用を精査する必要があります。

主に発生する費用は次の4つです。

  • 1.ギフティング
  • 2.交通費・宿泊費
  • 3.ディレクション費用
  • 4.プラットフォームの利用

ギフティング

広告で使う自社の商材は、基本的に無料でインフルエンサーへ提供します。場合によっては、事前に使いこなしてもらい、商材の魅力や利用メリットを十分に確認してもらうようにも手配します。

この商品・サービスの代金や商品の配送料は依頼者側の負担となります。なお、高額商品の場合は無料貸出などの形で費用を節約することもあります。

交通費・宿泊費

商業施設や観光地、イベントに関する広告を依頼する場合、実際に現地に来て現場を紹介してもらうなど、実際に体験してもらう必要があるでしょう。

その際の交通費や宿泊費、食事代なども依頼者側が負担するのが一般的です。 インフルエンサーが個人の場合は低い費用で済みますが、インフルエンサーが複数であったり、数人のスタッフを連れてきたりするケースもありますので、 費用については事前に確認すると良いでしょう。

ディレクション費用

インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーのキャスティングが非常に難しいとされています。 またコンテンツ作成や投稿方法に至るまで多くのノウハウが必要です。そこで、インフルエンサーマーケティングを得意とする広告代理店を利用するケースが多く見られます。

この際に代理店などに支払う料金をディレクション費用と呼び、インフルエンサー報酬とは別途で用意しなければなりません。

ちなみにディレクション項目としては次の4つがあります。

  • インフルエンサーのキャスティング
  • インフルエンサーとの交渉とコンテンツ作成のサポート
  • インフルエンサーのマネジメント
  • PR施策の効果測定

現在は既存の広告媒体に匹敵する勢いでSNS広告が市場規模を拡大しています。比例してインフルエンサーの人数も続々と増えているため、 ノウハウのない企業が最適なインフルエンサーをキャスティングするのは困難だと言えるでしょう。

そこで、実績のある広告代理店を利用することで、費用対効果の高い広告戦略が可能になります。 別途費用は発生しますが、初めてインフルエンサーマーケティングを行う場合は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

プラットフォームの利用

マッチング・プラットフォームとは、インフルエンサーと企業を仲介するサービスです。システムに登録されているデータをもとに、企業に適したインフルエンサーに依頼することができます。

マッチング・プラットフォームは有料サービスが一般的で、月毎に会員費用が必要な場合や、マッチングの報酬が発生する場合があります。 マッチした場合、おおよその料金相場はインフルエンサー報酬の10〜30%となります。

04インフルエンサーに自社で依頼することは難しい?

優秀なビジネスマン

これまでインフルエンサーマーケティングについて確認してきましたが、成果報酬型でも固定報酬型でもディレクションの難しさは否めません。 ディレクションを自社でまかなうためには、専門的なスタッフを用意し、時間と多数の人員を割く必要があります。 人材面からも、取り組み始めるのが困難なマーケティング手法と言えるでしょう。


関連記事: 内製化の課題|インフルエンサーマーケティングを自社で実施するには

ノウハウを持つ代理店に依頼するのがおすすめ

自社主導での施策展開が難しい場合、インフルエンサーマーケティングは専門のSNS広告代理店へ依頼するのが一番です。 最近では成果報酬型と固定報酬型のメリットを合わせたハイブリット型インフルエンサー広告を提供する代理店も増えていて、高い費用対効果が期待できます。

ある程度の実践経験を持ち、それなりにノウハウを確保している企業であれば、マッチング・プラットフォームのサポートで費用対効果を高める広告が展開できるかもしれません。

それでもリソースの関係で実施が難しいという場合はディレクションを行ってくれる代理店の利用を検討してみてください。


関連記事: インフルエンサーマーケティング代理店の種類|特徴と選び方も紹介


まとめ
年齢層を問わず主要メディアとなりつつあるSNSの市場では、インフルエンサーマーケティングは非常に訴求力の高い広告手段です。 既存の広告に対して嫌悪感を覚えるユーザーが増加していることから、相対的に有用性が高まり続けている施策と言えます。
 
しかし、ノウハウが必要な点やリソースの関係でなかなか導入に踏み切れていない企業が多いことも事実です。
その場合、実績を持つ広告代理店やマッチング・プラットフォームを適宜利用して、実のある広告活動を進めていきましょう。

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