市場調査とマーケティングリサーチの違いとは?メリットや手順も解説
現代のマーケティングにおいて欠かせない市場調査。
似た調査方法に、マーケティングリサーチがありますが、両者は異なるものです。
市場調査は「過去から現在」の市場動向を把握するのに対し、マーケティングリサーチではもっと広く「未来」の市場動向に対しても予測や分析を行います。
この記事では、市場調査とマーケティングリサーチの基本情報、メリットや手法を分かりやすく解説します。
01市場調査とマーケティングリサーチの関係性
市場調査とマーケティングリサーチの関係性を理解するためには、それぞれの目的や種類の理解が不可欠です。
市場調査とマーケティングリサーチについて、詳しく解説します。
市場調査とは?
はじめに市場調査とは、文字通り「市場を調査すること」です。
アンケートなどにより、市場のトレンドや動向、自社商品の認知度、顧客のニーズを調べます。
市場調査の結果は数値で分かるものが多く、「現在」の市場を把握し、マーケティング施策へ役立てます。
市場調査を行う目的
市場調査を行う目的は、大きく4つあります。
- トレンドや市場規模の把握
- 消費者のニーズ把握
- 競合他社の動向を把握
- 新規事業など新市場への参入検討
市場調査は、トレンドや市場規模の把握が主な目的です。
市場調査を行い分析することで、自社の商品やサービスの品質向上につなげ、顧客満足度を高める効果が期待できます。
市場調査の手法
市場調査の目的や求める情報によって、さまざまな手法があります。
ここでは一般的な手法をご紹介します。
【定量調査】
消費者や見込み顧客に対して、Web・対面・郵送などを用いてアンケートやインタビューを行い、データを収集する方法。
数や量など、数字で明確に把握できる情報を収集する。
【定性調査】
対象者にインタビューを行い、本音やニーズを得る調査方法。
定性調査では、数字で表れない価値の高い情報が収集できるため、これまで認識していなかった気づきを把握できる。
【覆面調査】
第三者が消費者として、実際に商品やサービスを利用し、依頼主に情報を提供する方法。
近年では「ミステリーショッパー」とも呼ばれている。
マーケティングリサーチとは?
一方のマーケティングリサーチとは、今後の市場動向やニーズの把握をするための情報収集です。
市場調査に比べ、マーケティングリサーチは広義的で、マーケティング活動に必要な調査全般を指します。
市場調査はマーケティングリサーチの一部です。
マーケティングリサーチでは、現在の状況を把握し、「未来」の予測や分析に役立てます。
マーケティングリサーチを行う目的
マーケティングリサーチの大きな目的は、生活者・消費者の意見を取り入れ、よりよいマーケティング活動に役立てることです。
- 商品開発や販売戦略の検討
- 顧客起点の商品開発の検討
中長期の観点に立って、今後の市場やニーズを把握するためには、マーケティングリサーチが必須になります。
マーケティングリサーチの手法
マーケティングリサーチでも、定量調査や定性調査などが用いられます。
実際のマーケティングリサーチにおける手法をご紹介します。
【商品テスト】
対象の顧客に、新商品やすでに販売されている対象商品を実際に使用してもらい、評価を得る調査方法。
顧客が商品にどんな印象を持つか、改良すべき箇所を浮き彫りにできる。
【事前事後調査】
イベントやキャンペーンを実施前・実施後で調査、前後の結果を比較し、宣伝効果を測定する調査方法。
また、商品テストなどで、商品を使用する前後での購入意向の変化を分析できる。
【パッケージテスト】
商品容器の色合いやデザイン、使いやすさなどに関してのテスト。
顧客にパッケージの評価や実際に商品を購入したいかなどの意見を集める。
市場調査とマーケティングリサーチの違い
市場調査とマーケティングリサーチの大きな違いは、調査のベクトルです。
市場調査は「過去から現在」の市場動向を把握するに対し、マーケティングリサーチではもっと広く、「未来」の市場動向に対しても予測や分析を行います。
対象とする軸が違い、市場調査では現状の市場を把握し、新商品や新サービスの開発に役立てます。
一方のマーケティングリサーチでは、現在の市場情報を参考に、今後における商品開発の検討に役立てるケースが多いです。
02市場調査のメリット
市場調査を行うメリットをご紹介します。
- 客観的な数字で分析しやすい
- 市場の変化を事前に把握できる
- 消費者に商品やサービスが渡るまでの経緯がわかる
それぞれ詳しく解説します。
客観的な数字で分析しやすい
市場調査の一般的な手法であるアンケートですが、質問項目に対し順位や度合いを用いて回答することがほとんどです。
アンケート結果によって、回答者全体の傾向を客観的な数値として把握できます。
自社商品・サービスが消費者にどんな評価を受けているのか、どれだけ満足度が高いのかを数値化することで分析しやすくなります。
市場の変化を事前に把握 できる
近年では、次々と新しい商品やサービスが開発され、時代とともに変わっていく消費者の行動パターンや嗜好に対応していくことが大切です。
市場調査では、市場の変化を事前に把握できるため、消費者が本当に求めている商品のニーズがつかめます。
さらに、市場の変化を事前に把握することで、マーケティング施策の実行前に、未知のリスクや注意点も事前に把握できます。
消費者に商品やサービスが渡るまでの経緯がわかる
一般的に商品は、卸・小売り業者を経て消費者の手に渡ります。
そのため、企業側は自社商品・サービスがどのように消費者の手にわたっているのかが把握できませんでした。
市場調査で経路を知ることで、消費者の受取価値を高めるための分析ができるようになりました。
03マーケティングリサーチのメリット
つづいて、マーケティングリサーチのメリットをご紹介します。
- マーケティング失敗のリスクが回避できる
- 新商品の開発に活かせる
それぞれ詳しく解説します。
マーケティング失敗のリスクが回避できる
マーケティングリサーチでは、マーケティング施策の失敗リスクを回避できるメリットがあります。
新たな市場に進出する際も、データに基づかない勘や経験で意思決定をしてしまうと、時代やニーズなどの部分でズレが出てくる可能性が高いです。
現在の市場とズレた施策を実行すると失敗に終わる可能性が高く、コストと時間が無駄になってしまいます。
リスクを回避するためにも、データに基づいたマーケティングリサーチがとても重要です。
新商品の開発に活かせる
広義的に調査できるマーケティングリサーチは、新商品の開発にも活かせます。
常に変化していく市場の中で、商品を開発する場合、現在の市場の状況を正確に判断しながらの把握が欠かせません。
マーケティングリサーチをすることで競合にはない自社商品を生み出し、オリジナリティをもたせれば、競合との差別化ができるようになります。
04市場調査のやり方5ステップ
市場調査には、事前準備も含めて5つのステップに分けられます。
- 目的を明確にする
- 市場調査にかける期間・予算を決める
- デスクリサーチを行う
- 市場調査を定義する
- 結果を分析し、次のアクションを決める
それぞれのステップを詳しく解説します。
調査目的を明確にする
市場調査に限らず、何かを分析したい場合は目的を明確にしましょう。
調査目的が明らかになっていないと、適切な市場調査方法を選定することができません。
調査目的は、市場調査によってどのような課題を解決したいかに基づいて決めていきます。
最終的な調査目的を明確にすることが、市場調査を行う上での最初のステップです。
市場調査にかける期間・予算を決める
次に、市場調査にかける期間を決めましょう。
いつまでに分析結果があれば事業に活かせるかを考え、スケジュールを決めていきます。
一般的なインタビュー調査の場合は、分析結果が欲しい時期の4~5週間前から調査を始めなければなりません。
スケジュールが決まったら、次に市場調査にかかる予算を決めます。
市場調査はお金をかけないで行えますが、精緻なデータを取りたい場合はそれなりの金額がかかってしまいます。
はじめに目安を決めておかないと予想以上に費用がかさんでしまう場合もあるため、市場調査によってどこまで効果を見込みたいのかで、予算を決めていきましょう。
デスクリサーチを行う
デスクリサーチとは、自分で調査を企画する前に、各調査会社や政府で公表されているデータの中に、参考になる情報があるかを調べる方法です。
デスクリサーチを行うと、求めていたデータがそのまま無料で手に入り、さらに実際に質問や項目を考える材料になります。
しかし、インターネット上にある調査結果を参考にする場合は、データ元や取得方法が信頼できるものか判断する必要があります。
市場調査を定義・実施する
市場調査の種類はたくさんあるため、目的に合わせた適切な調査方法を選ぶ必要があります。
複数の調査方法の組み合わせも可能ですので、得たい情報や特徴をもとに、市場調査を定義していきましょう。
調査方法が決まったら、市場調査を実施していきます。
結果を分析し、次のアクションを決める
最後に市場調査から得られた結果を分析し、次の具体的なアクションを決めていきましょう。
調査で判明した課題を完璧に解決できなくても、少しでも結果を活かして課題を改善するために、実行可能なアイディアを出していきます。
市場調査は、調査の実施がゴールではありませんので、必ず次の打ち手に繋げることが大切です。
05市場調査を成功させるポイント
市場調査を成功させるポイントは3つ挙げられます。
- ターゲットを明確にする
- 数値だけで判断しない
- できるだけリピーター客を集める
それぞれ詳しく解説します。
ターゲットを明確にする
市場調査の対象者であるターゲットは、しっかり決めておく必要があります。
例えば、化粧品のアンケートを取ったとしても、30歳と50歳の評価は変わってきます。
自社商品の売り上げアップにつなげたいのか、新商品を開発したいかなど、調査目的に合わせて具体的に設定しましょう。
数値だけで判断しない
調査結果の数値だけで判断しないようにしましょう。
例えば対象者が15人の場合、9人が魅力に感じ、残りの6人魅力を感じないという結果に対し、この商品は「魅力的な商品だ」と決めつけても確実ではありません。
数値だけで判断しないために、定量調査と定性調査どちらも行う必要があります。
できるだけリピーター客を集める
市場調査を行うターゲットは、できるだけリピーター客を集めましょう。
「金額が安かったから」という理由だけでなく、どうしてその商品を再度購入しようと思ったのか、深く掘り下げる必要があります。
そのため、商品やサービスを複数回使用している顧客を対象にしましょう。
- まとめ
- 市場調査は「過去から現在」の市場動向を把握するに対し、マーケティングリサーチではもっと広く、「未来」の市場動向に対しても予測や分析を行います。
- 現状の市場動向を把握すると、今後の戦略を立てる上でとても有効的です。
- 市場調査によって今後の課題解決となる情報をいち早く収集し、事業の成長に繋げましょう。
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