インフルエンサーマーケティングの効果測定|KPIの設定方法も解説
昨今、インフルエンサーマーケティングを自社のPR施策として取り入れる企業が増加しています。 インフルエンサーマーケティングはただ施策するだけでなく、効果測定をしながら継続的にプロモーション効果を高めることが重要です。
効果測定を行うためには、まず後述するように「KPI」を設定する必要があります。以下で、インフルエンサーマーケティングにおけるKPI設定において、注意すべき点についてご説明します。
関連記事: インフルエンサーマーケティングとは?特徴や実施方法まで徹底解説!
01インフルエンサーマーケティングで効果測定が重要な理由
インフルエンサーマーケティングを実施するに当たって、なぜ効果測定することが重要なのでしょうか。 もし効果測定をしないままインフルエンサーマーケティングを行うと、マーケティングの効果があったのか正確に把握できず、 結果が曖昧なままコストを支払い続けることになってしまいます。
一方、効果測定をして「PDCAサイクル」を回すことによって、継続的にインフルエンサーマーケティングの施策効果を高めることができます。効果測定には具体的に以下のようなメリットがあります。
- ・ユーザーの反応を見ながら今後の施策の方針を立てられる
- ・どのマーケティング手法・SNS媒体がより効果が出ているか分かる
- ・マーケティングの費用対効果が分かる
なお、インフルエンサーマーケティングはSNS上で実施されることが多く、従来のマーケティングに比べて効果測定のデータを入手することが容易です。
たとえば、従来のマーケティング手法であるTV広告や雑誌広告の場合、消費者アンケート調査などを行わないと施策の効果が分かりませんでした。 一方インフルエンサーマーケティングは、ほぼオンライン上で行われるため、数値でデータを入手しやすく容易に効果測定できます。
02【施策目的別】KPI設定の方法を解説
ここまで、インフルエンサーマーケティングの効果測定の重要性とそのためのデータの入手が容易であることをお話しました。 効果測定のためのデータにはいくつか種類がありますが、その中でどれを重視すべきか、つまり「KPI」の設定方法をご説明します。
「KPI」とは、”Key Performance Indicator”の略で「主要業績評価指標」のことです。具体的には、企業や各事業の目標を達成するために重要な、業績評価の指標を数値化したものを言います。
インフルエンサーマーケティングの効果測定におけるKPI設定で注意すべき点は、
- ①SNSマーケティング特有のKPIがある
- ②施策目的や利用するSNSによって重視すべきKPIが異なる
①SNSマーケティング特有のKPIがある
SNSを使ったマーケティングに特有のKPIで、インフルエンサーマーケティングの効果測定に特によく使われるKPIは下の表のとおりです。 以下でお話する施策目的別・SNS別のKPIにも登場するものばかりなので、ご参照ください。
【インフルエンサーマーケティングでよく使われるKPI】
- インプレッション数 / リーチ数
- 投稿が表示された回数 / 投稿を見たユーザー数
- エンゲージメント数
- ユーザーのリアクション数やその割合
- UGC数
- 「ユーザーが発信したコンテンツ」の数のこと。
- サイト遷移数(クリック数)
- PR投稿から企業ウェブサイト等に遷移された数
- コンバージョン
- 商品購入数などのマーケティングの最終的成果
② 施策目的や利用するSNSによって重視すべきKPIが異なる
KPIは大きな目標に対して達成すべき細分化された数値目標です。インフルエンサーマーケティングにおいても、 「認知拡大」や「購買促進」などの施策目的を達成するために、それぞれ重視すべきKPIが存在します。
このためまず、インフルエンサーマーケティングを実施する目的を明確にし、それからKPI設定することが重要です。 また、インフルエンサーマーケティングを行うSNSの種類(InstagramやTwitterなど)によっても、効果測定において重視すべきKPIが異なります。
以下ではまず、インフルエンサーマーケティングにおける主要な施策目的である 「認知拡大」、「購買促進」、「ブランディング」に対して、それぞれどのようなKPIを設定して効果測定したら良いかご説明します。
認知拡大
商品・ブランドの認知拡大を目的としたインフルエンサーマーケティングでは、どれだけたくさん投稿を見てもらえるかが重要であり、以下のようなKPIを設定することが多いです。
- 【KPI】
- ・インプレッション数
- ・リーチ数
- ・シェア数
- ・動画再生数
購買促進
商品の購買促進を目的としたインフルエンサーマーケティングでは、ダイレクトに購入につながるプロセスが重要になるため、以下のようなKPIが重視されます。
- 【KPI】
- ・サイト遷移数
- ・購入数、売上、利益
ブランディング
ブランディングを目的としたインフルエンサーマーケティングでは、SNSにおけるユーザーの評判が重要であり、以下のKPIが重視されます。
- 【KPI】
- ・ポジティブ/ネガティブコメント比
- ・シェア数
- ・UGC数
03【SNS別】インフルエンサーマーケティングの効果測定方法
ここまでは、施策目的別に重視すべきKPIについてお話しました。次に、インフルエンサーマーケティングで利用するSNS別に、見るべきKPIを詳しくご説明します。
Instagramの分析データは「Instagramインサイト」で見られます。Instagramで「ビジネスプロフィール」を作成することにより利用できる分析機能で、 フォロワー数、フォロワー属性(男女比・年齢等)などを知ることができます。
効果測定の際には、
- ・広告主のフォロワー数遷移
- ・インプレッション数
- ・エンゲージメント数
などを参照します。
広告効果を測るに当たって、この中で特にKPIとして重要なのが「いいね!」やコメント数などユーザーの反応が見られる「エンゲージメント」です。
Instagramは「シェア」や「リツイート」機能がないため拡散力が高くなく、ユーザーは「ハッシュタグ」で検索するか、元々フォローしているインスタグラマーの投稿を見る傾向にあります。 投稿に興味を持ってくれれば「いいね!」や「コメント」を残すため、エンゲージメント率が高いほど見込み客が増える、つまり購入につながる確率が高いと言えます。 また、今後も商品やブランドのリピーターになってくれることが期待できます。
関連記事: インスタグラムとインフルエンサーマーケティング|気になる効果は?
YouTube
YouTubeの分析データは「YouTubeアナリティクス」で見ることができます。この機能は、過去28日間の視聴回数、総再生時間、人気の動画などが確認できます。
効果測定の際には、
- ・再生数
- ・クリック数
- ・エンゲージメント数
などを参照します。
YouTubeの効果測定では、特に「再生数」と「クリック数」がKPIとして重要です。
YouTubeは動画中に埋め込まれたURLによって、ユーザーを企業サイトやECサイトに誘導することが可能です。 このため動画を「再生」してもらい、さらに「クリック」してもらうことが重要な指標となります。
関連記事: YouTubeのインフルエンサーマーケティング|PR成功のコツは
TikTok
TikTokの分析データは、一般アカウントでも無料で「インサイト」で見られます。 インサイトでは、個々の投稿動画については視聴回数・視聴時間・視聴者の所在地などが、アカウント自体についてはフォロワー数の変化や属性などが分かります。
効果測定の際には、
- ・動画視聴者の所在地
- ・合計視聴回数
- ・平均視聴時間
を参照します。
KPIとして比較的重要なのは動画を最後まで見ているかが分かる「平均視聴時間」です。動画を最後まで見ていれば、「視聴者が興味を持ってくれた」とある程度判断できます。
なお、実店舗への集客を目的とする場合は「動画視聴者の所在地」も重要となります。実店舗から近いところに住んでいる視聴者が多いほど、実店舗の集客効果も高まると考えられるためです。
関連記事: TikTokの活用方法!インフルエンサーマーケティングとの相性は
Twitterでは、アカウントを持っている人は誰でも無料で「アナリティクス」機能を利用できます。 アナリティクスホームには過去28日間の数値データが表示されており、インプレッションやエンゲージメント数などが確認できます。
効果測定の際には、
- ・インプレッション数
- ・クリック数
- ・コンバージョン数
- ・エンゲージメント
を参照します。
twitterの効果測定で重要なKPIは「インプレッション数」です。Twitterは投稿が時系列順に並ぶため、 投稿する時間帯によってインプレッション(投稿が表示された回数)が大きく左右される傾向にあります。
また、Twitterは拡散力が高いため、インプレッション数が多ければ多いほど「リツイート」されてさらに拡散され、より多くの人に見てもらうことができます。
04インフルエンサーマーケティングの効果をさらに高めるためには?
ここまでは、インフルエンサーマーケティングの効果測定に使われるKPIについてお話してきました。
次に、インフルエンサーマーケティングの効果をさらに高めるために効果的な、3つの方法をご紹介します。
- 自社と相性の良いインフルエンサーを選定する
- 商品のイメージに合ったPR投稿を行う
- 広告代理店を利用する
自社と相性の良いインフルエンサーを選定する
インフルエンサーマーケティングを行うに当たってまず大事なことは、自社またはブランドと相性の良いインフルエンサーを選ぶことです。
では「相性が良い」とはどういうことを指すのでしょうか。基本的に以下の条件を満たしていれば、インフルエンサーと相性がいいと言えます。
関連記事: 施策が成功するインフルエンサーの選び方は?選定基準・起用方法も解説
フォロワー層がターゲット層と一致している
インフルエンサーのフォロワー数が多いほど多くのユーザーにリーチできるのは確かですが、それと同等またはそれ以上に大切なのが、 フォロワーの属性が商品・ブランドのターゲット層と合っていることです。 インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーのフォロワー全員にPRを行う手法であるため、フォロワー層とターゲット層が一致していれば的確なマーケティングが行えます。 また、短期的な商品の売上増加だけでなく、商品のファンになってリピーターになってくれる効果も期待できます。
逆に、商品やブランドのターゲット層がインフルエンサーのフォロワー層が異なる場合、インフルエンサーマーケティングの効果はほとんど上げられないでしょう。
たとえば、30代・40代の男性向け商品を、20代女性のフォロワーが多いインフルエンサーにPRしてもらっても、効果は出ません。
インフルエンサーの投稿が商品と同じジャンル
インフルエンサーが普段発信する情報が自社商品と同じジャンルであれば、フォロワーもそのジャンルに元々興味があるため、プロモーション効果が高くなります。
たとえば、化粧品やファッション系の投稿が多いインフルエンサーには、そのジャンルに関心が高いフォロワーが多いので、高い施策効果が期待できます。。
このように、相性の良いインフルエンサーを選定してPR投稿してもらえば、いかにも「広告」というイメージになりません。 いつもの投稿の雰囲気を保って自然な流れでPRが行えるため、ユーザーが嫌悪感を抱きづらいというメリットがあります。
逆に、自社商品やブランドと合わないインフルエンサーを起用してしまうと、PR投稿が唐突で不自然な感じを与え、「いかにも広告」という印象になってしまいます。 それではインフルエンサーマーケティングの強みを生かすことができず、効果は期待できません。
商品のイメージに合ったPR投稿を行う
商品のイメージに合ったインフルエンサーを起用するだけでなく、投稿内容も商品のイメージに合ったものにすることで、インフルエンサーマーケティングの効果をより高められます。
たとえば、自然派化粧品なら背景に移る物は少なめにしてさわやかな写真の投稿にしてもらう、 ファッションブランドだったらファッションに合うメイクをしてもらい統一感のある写真にしてもらう、などが例として挙げられます。
投稿内容は企業や商品のブランディングにも関わるので、事前にインフルエンサーとしっかり打合せしておくことが大事です。
広告代理店を利用する
多くの企業が関心を寄せるインフルエンサーマーケティングですが、実施するには独自のノウハウや多くのリソースが必要です。 自社で進めるリソースが不足していたり、インフルエンサーマーケティングの経験がない場合、実施は困難に感じますが、広告代理店にインフルエンサーマーケティングを依頼することもできます。
広告代理店に依頼すると、プロの視点で効果測定を含めたインフルエンサーマーケティングの各業務を代行してくれます。 ディレクションの費用は発生しますが、より確実に成果を出したいならば利用を検討しても良いのではないでしょうか。
ただし、悪質な業者が存在していることも事実ですので、実績が明確な信頼できる広告代理店を選ぶようにしましょう。
関連記事: インフルエンサーマーケティング代理店の種類|特徴と選び方も紹介
- まとめ
- 多くの企業が採用し始めているインフルエンサーマーケティングは、効果測定が比較的容易にできるのが大きなメリットです。
- KPI設定では、施策目的と利用するSNSによって重視すべきKPIが異なる点に注意が必要です。
- 社内にインフルエンサーマーケティングに継続的に携われる人員が見つからない場合は、 広告代理店に依頼することも選択肢の一つであり、インフルエンサー選定から効果測定まで、一貫して代行してもらうことでベストなマーケティングを実施しましょう。
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