インフルエンサーマーケティングの失敗例を解説!運用成功のポイントは
インフルエンサーマーケティングの失敗例には、成功の秘訣が隠されているのをご存知ですか? 他の宣伝手法よりも比較的安価で成功率が高いと評判ではあるものの、一度の失敗によって甚大な被害を受けるケースも少なくありません。
そこで今回は、失敗したらどうなるのかを踏まえたうえで、具体的な失敗例とその原因、成功させるためのコツについてまとめてみました。
01インフルエンサーマーケティングが失敗すると何が起きる?
インフルエンサーマーケティングは、低予算でも短期間で圧倒的なCV(コンバージョン)が見込める画期的な広告手法です。
とはいえ、導入した全ての企業が成功している訳ではありません。事実、戦略ミスによって甚大な被害を受けた失敗例も報告されています。
そもそも、インフルエンサーマーケティングに失敗するとどのような被害を受けるのでしょうか。
企業・インフルエンサーの炎上
代表的な失敗例と言えば、何と言っても「SNS上での炎上」でしょう。 モバイルユーザーに対し即効性・影響力が高い手法だからこそ、たとえ些細な悪評でも一気にSNS上で拡散されてしまいます。
その結果、下記で紹介するような企業・商品ブランドにとって致命的な被害に繋がるリスクが高い<のです。
関連記事: 炎上対策|インフルエンサーマーケティングで失敗しないコツを解説!
信頼性の低下
類似商品のどちらを購入すべきか迷っている消費者にとって、決め手となるのが「信頼性」です。 「○○商品を販売している企業だから効果があるだろう」「このブランドなら安心して購入できる」という消費者心理が、購買意欲にポジティブな影響を与えています。
つまり、「企業・商品ブランドの価値=消費者からの信頼度」と言っても過言ではないのです。
一方、下記のような手法を講じたばかりに「消費者を騙した悪徳企業」「不買運動の対象ブランド」といったネガティブなレッテルを張られてしまったケースも少なくありません。
- ▼信頼性の低下に繋がるケース
- PR内容と商品の品質が著しく異なる
- 効能を大袈裟にアピールしている
- ステマや炎上商法が疑われる内容
売上の低下
一度失った消費者からの信頼は、そう簡単には取り戻せません。 インフルエンサーマーケティングの失敗例としてネットで取り上げられている企業の中には、信頼を回復するまでに10年以上もかかったブランドもあるほどです。
さらに深刻なのは、該当の商品だけでなく「その企業が手掛けている全ての商品」にも悪評がつきまとう、という点です。 たとえ該当商品を自主回収したとしても、企業ブランド全体の業績が悪化するのは避けられません。
悪いイメージがついてしまう
圧倒的な影響力と拡散力を兼ね備えているインフルエンサーだからこそ、たった一言の失言がトレンド入りしてしまいます。
その結果、ブランドのロゴを見ただけで「○○事件の企業だ!」と失敗例が再燃したり、ネガティブなイメージを連想させる独自のハッシュタグが誕生したりと、そう簡単に事態は沈静化してくれません。
ネガティブなイメージはポジティブなイメージよりも長期化しやすいだけでなく、将来的にも再炎上のリスクを抱えることになるのです。
損害賠償金の発生
インフルエンサーマーケティング失敗例の実質的な被害として挙げられるのが、損害賠償金の発生です。
一例として、とあるYouTuberをインフルエンサーとして起用したバストアップブラのPRに関する失敗例をご紹介いたします。
▼失敗例の概要
担当インフルエンサー:総フォロワー数約300万人のYouTuber
対象商品:自身がプロデュースしたバストアップブラ
効果を裏付ける情報:商品の装着+日々の努力によって、バストサイズが大きく成長した
失敗の原因:豊胸手術をしていた事実を隠し、商品の効果だと嘘をついていた
上記の通り、詐欺とも言える手法が明るみになり、多額の損害賠償金を支払う羽目になったのです。
▼失敗例の影響
返金などの問い合わせ件数:約3万件
損害賠償金:4億円以上(内、企業への損害賠償金5,000~6,000万円)
企業が賠償金を支払うことも、インフルエンサーが賠償金ことも、状況次第でどちらのケースも考えられます。 どちらにせよ、大きな信頼喪失は避けられず、痛手となってしまいます。
企業活動の停止に発展してしまう恐れも
他の広告と同様に、法律を遵守していなければ刑法または民法に抵触し、結果として企業活動の停止に追い込まれる可能性もあるのです。
消費者庁では、インフルエンサーマーケティングと関連性が深い「景品表示法」について下記のように解説しています。
景品表示法とは
景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。
消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、 過大な景品付き販売が行われたりすると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。
景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、 消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。
引用:景品表示法|消費者庁
景品表示法は主にステルスマーケティングの規制を目的として設けられた法令ですが、インフルエンサーマーケティングと類似点が多いため注意が必要です。
なお、該当するケースやペナルティについては後述いたします。
02インフルエンサーマーケティングの失敗例3選|原因も解説
ここからは、日本国内で発生した具体的な失敗例とその原因についてご紹介します。
- ▼失敗例3選
- モラルの欠如による失敗例:日清どん兵衛×YouTuber輝夜月さん
- ステマ発覚による失敗例:いろはに青汁×社員
- エビデンス不足による失敗例:血液クレンジング×はあちゅうさん
最初にご紹介するのは、モラルの欠如が指摘されてSNSで炎上した失敗例です。
- ▼概要
- ・企業:日清
- ・商品:どん兵衛の販売促進
- ・インフルエンサー:バーチャルYouTuberの輝夜月さん
- ・宣伝時期:2018年12月
- ・宣伝効果:いいね=2万件以上/リツイート=8千件以上
失敗した原因について
最も需要が高まる年末という時期を選んだ点は、最良のプロモーションと評価できるタイアップ動画でした。実際、広告を打った当初は手応えも順調だったようです。
ところが、競合企業の商品をバットで殴る様子が納められた動画を見た視聴者から、「企業のモラルを疑う!」「ライバル商品を貶している様は不愉快!」という趣旨の非難が殺到して大炎上。
批判を受けた日清は問題の動画を12月29日頃に削除しましたが、企業のイメージダウンという高い代償を払うことになりました。
ステマ発覚による失敗例:いろはに青汁×社員
2つ目にご紹介するのは、自社が運営するランキングサイトの集客を目的に行われたステルスマーケティング(ステマ)の失敗例です。
- ▼概要
- ・企業:株式会社フライ(メディア運営会社)
- ・Webサイト:自社が運営する「いろはに青汁」
- ・口コミ者:自社の社員
- ・Instagramアカウント: ダイエット中!29歳二児の母
- ・宣伝効果:2万3,000人超のフォロワーを獲得
ステマとインフルエンサーマーケティングには下記のような違いがありますが、見分け方を知らない一般の方が多いのも事実。
どこからが不正行為になるのか、ボーダーラインを把握しておきましょう。
- ▼ステマとインフルエンサーの違い
- ステマ:宣伝であることを隠したまま行う「やらせ」や「サクラ」
- インフルエンサーマーケティング:あらかじめ宣伝であると告知した正規の広告
失敗した原因について
自社の社員に一般人を装わせ、Instagramのアカウントを使って口コミ情報を投稿させていたのが、炎上した最大の理由です。 半年で10キロやせた様子を、画像付きで掲載し、第三者からのコメントにも親身に答えていました
もちろん、サイトの集客に成功したのはあくまで一時的。 結局、ランキングサイト「いろはに青汁」を運営していた株式会社フライはステマ行為を認め、現在はサイトも閉鎖に追い込まれています。
エビデンス不足による失敗例:血液クレンジング×はあちゅうさん
3つ目にご紹介するのは、いわゆる「医療系ステマ」の疑いによって炎上した失敗例です。
- ▼概要
- ・サービス:血液クレンジングの施術
- ・インフルエンサー: ブロガーのはあちゅうさん
- ・宣伝時期:2012年
- ・宣伝効果:多くの有名人やインフルエンサーが追随し、話題になる
失敗した原因について
炎上した最大の原因は、効果・効能を裏付ける医学的根拠が不足していた、という点です。
自身が運営するWebサイトのクーポンを使って施術を受けたはあちゅうさんだけでなく、芸能関係者なども「冷え性や美容に効果的だった」といった趣旨の口コミを寄せていました。 その反面、「意味がない」「臨床試験での検証が少なくエビデンスに乏しい」と主張する医療従事者もいます。
今回の騒動を受けた厚生労働省は2019年11月、「血液クレンジング」の効果および安全性について実態調査を開始すると発表しましたが、結論が出るには少なくとも数年は掛かる見通しです。
医療機関との金銭受け渡しの事実はなかったのでステマではないと主張しているはあちゅうさんですが、思慮不足だったと反省の意をアナウンスしています。 どちらにせよ、信憑性を伴わない「おすすめ情報」が独り歩きした結果、インフルエンサーとしての評価に傷がついたのは否めません。
03インフルエンサーマーケティングを失敗させないための重要な項目一覧
この段落では、上記でご紹介した失敗例を踏まえ、リスクを回避するための必須要素4項目について解説します。
- ▼失敗させないための必須要素
- インフルエンサーの得意分野にあったPR投稿を依頼する
- 依頼するインフルエンサーのフォロワー層を理解する
- 広告に対する規制を守る
- 信頼できる広告代理店に依頼する
関連記事: インフルエンサーマーケティングの注意点|PR成功に必要なことは?
インフルエンサーの得意分野にあったPR投稿を依頼する
インフルエンサーによって、得意分野・ジャンルは大きく異なります。得意分野を無視して影響力だけに注目して依頼した場合、インフルエンサーマーケティングの効果が薄くなってしまいます。
例えば、普段からメイク道具の情報を発信しているインフルエンサーに対して、グルメ商材のPRを依頼しても大きな成果は見込めないでしょう。 どんなに高名なインフルエンサーに依頼しても、普段の投稿内容と商品・サービスのマッチ度が低ければ、期待通りの結果にはつながりません。
特定のジャンルで活躍するインフルエンサーには、インフルエンサーが発信する情報に興味があるフォロワーが集まります。
そのため、美容系インフルエンサーには美容品、グルメ系インフルエンサーにはグルメ商材のPRを依頼するといったように、商品・サービスと親和性が高いインフルエンサーを起用することが成功の秘訣です。
投稿内容の確認を行う
インフルエンサーにPR投稿をしてもらう際に、投稿内容の確認を行いましょう。
確認すべき項目としては、
・ステマになっていないか
・モラルに反する内容ではないか
・商品・サービスについて虚偽の説明がされていないか
などが挙げられます。
客観的にみた際に、批判の対象となってしまう内容がないか念入りにチェックしましょう。
しかし、企業の意向をPR投稿に反映しすぎてしまうと、インフルエンサーの普段の投稿と異なる印象を与えてしまうため、不信感を抱かれてしまいます。 インフルエンサーに裁量権を与え、必要最低限の監修に留めることが自然なマーケティングのポイントです。
広告に対する規制を守る
前述した通り、インフルエンサーマーケティングは法律の順守が大前提です。ここでは、拡大広告と関連性の深い「景品表示法」と「薬機法」について解説しましょう。
景品表示法は通常、短縮した景表法と呼ばれており、下記の3点がペナルティの対象です。
▼景品表示法の概要
不当な表示:「サクラ」や「やらせ」など、消費者に宣伝だと告げずに行う宣伝行為
優良誤認表示:実際よりも有利であると偽っている、または競争業者よりも優れていると思わせる虚偽行為
有利誤認表示:実際よりも有利であると偽っている、または競争業者よりも安いと思わせる虚偽行為
したがって、「広告であると明示する」「事実とは異なる表示・発言をしない」の2点を守っていないと判断された場合は、ペナルティの対象になるのです。
▼景品表示法に抵触した場合のペナルティ
行政上:不当表示の対象商品・サービスの売上額3%が課徴金として課される
民事上:各購買者から、損害の賠償請求をされる可能性がある
刑事上:消費者庁の措置命令に従わなかった場合:最大2年の懲役か最大300万円の罰金、または両方
行政上、消費者庁から調査・措置命令を受けた場合は、課徴金納付命令だけでなく企業名が報道されるなどのリスクもあります。
一方、コスメや健康食品系を扱う場合は厚生労働省が定めている 「医薬品、医療機器等の品質、 有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)」に注意が必要です。
- ▼薬機法の対象商品
- 化粧品
- 医薬品
- 医薬部外品
- 医療機器
- 健康食品(効果・効能などを標榜する場合)
特に誇大広告に抵触するケースが多く表現方法に細かいルールが設けられているため、資格を取得しているインフルエンサーに依頼した方が安全でしょう。
なお、薬機法は2021年8月の改訂に伴い「課徴金制度」が導入されています。違反した場合は罰則として対象商品の売上額の4.5%が課徴金として課せられてしまうのです。
広告代理店を利用する
インフルエンサーマーケティングには上記の注意点の他にも、ノウハウが必要となる場面が多々存在します。 また、ノウハウを持っていても多くの時間や工数がかかってしまうこともあり、自社完結で進めるには難易度が高いマーケティング施策です。
「インフルエンサーマーケティングで効果的なPRを行いたい、けど自社で進めることが難しい…」、そんな考えをお持ちの企業には広告代理店の利用がおすすめです。
インフルエンサーマーケティングの専門知識を持つ代理店ならば、インフルエンサーの選定からPR終了後の効果測定まで包括的に施策を進めてくれます。 ディレクションの費用はかかってしまいますが、上述した注意点などを抑え、ノウハウを活かしたマーケティングを行えるため、安全に効果的なマーケティングを行うことができます。
関連記事: インフルエンサーマーケティング代理店の種類|特徴と選び方も紹介
04インフルエンサーマーケティングを成功させるための手法4つ
一方、成功しているインフルエンサーマーケティングの共通点として、下記の4点が挙げられます。
- ▼成功させる必須要素
- 適切なインフルエンサーを選定する
- 商品のイメージとあった広告クリエイティブを作成する
- 適切な時間に広告をうつ
- 信頼できる代理店に依頼する
関連記事: 【導入支援】インフルエンサーマーケティングのコツを具体的に解説!
適切なインフルエンサーを選定する
成否のカギは、宣伝したい商品またはサービスに対し、最適なインフルエンサーを選定できるかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。
中でも選定のポイントとなるのが下記の4点です。
- ▼インフルエンサー選定のポイント
- 得意ジャンルとの適合性
- エンゲージメントの質
- フォロワー層の傾向
- 実績と経験値
- 過去の活動記録
なお、インフルエンサーの適切な選定方法については下記の記事をご参照ください。
関連記事:施策が成功するインフルエンサーの選び方は?選定基準・起用方法も解説
商品のイメージとあった広告クリエイティブを作成する
何かとインフルエンサー個人のスペックばかりが注目されがちですが、プロモーション自体のクリエイティブ性が低品質であれば意味がありません。 特に、商品のイメージと広告のクリエイティブ性がマッチしていなければ、「これって何の広告?」と視聴者は首をかしげてしまいます。
確かに、従来のような画像・アニメーション・テキストだけで作成された広告に比べると、視聴者本人が信奉している人物が使用例を紹介する宣伝スタイルの方が興味をそそるでしょう。 とはいえ、インフルエンサーマーケティングの対象者は、目が肥えているSNSのヘビーユーザーがほとんど。 クライアントに忖度したワザとらしい手法や「おすすめ」を連呼するだけの緩急のない進行では、あっという間に下心を見抜かれてしまいます。
商品の魅力を余すことなく伝えるにはストーリー性を伴う構成が、 価値や優位性を信じてもらうには根拠となる客観的な情報提供が必要なのです。
適切な時間に広告をうつ
視聴に一定の時間が必要なインフルエンサー広告だからこそ、多くの視聴者がSNSを利用しやすい時間帯に打つのが得策です。
インスタグラムやYouTubeはインフルエンサー広告の視聴率が高いことで知られていますが、19:00〜23:00のゴールデンタイムを逃す手はありません。
- ▼広告を打つ時間帯の違い
- 失敗例:平日の6:00~8:00など、視聴率の低い時間帯に広告を打つ
- 成功例:曜日を問わず、視聴者が増える19:00〜23:00
信頼できる代理店に依頼する
インフルエンサーと同様に、広告代理店も慎重に選ぶ必要があります。
現代には悪質・低品質な広告を作成する代理店も潜んでおり、そのような代理店に依頼してしまった場合、 マーケティングで成果を得られないだけでなく、ユーザーに不信感を抱かれてしまうこともあります。
代理店を選ぶ際は、
・過去の実績
・自社が求めるサービスを提供しているか
・薬機法や景品表示法などのルールを遵守しているか
などを確認し、信頼できる広告代理店に依頼することが重要です。
- まとめ
- SNSでは炎上騒動などが多く拡散されるため、インフルエンサーマーケティングに良い印象をお持ちでない人もいるでしょう。 しかし正しくマーケティング施策を進めることができた際には、その高いPR効果を無視できないのも事実です。
- 重要なのは広告のルールを守り、モラルを持ってマーケティングに望むことであり、これはインフルエンサーマーケティングに限った話ではありません。 ユーザー、企業、インフルエンサーの3者、誰もが損をしないクリーンなマーケティングを行うことが、結果的に大きな利益に繋がるでしょう。
- 今回紹介した失敗例や成功のポイントが、貴社のマーケティング成功の一助になれれば幸いです。
【無料相談】Webマーケティングに関するお問い合わせはコチラ
・依頼可能インフルエンサー 1万2000人以上
・依頼可能インフルエンサー フォロワー総数 11億人以上
・案件実績数 2000件以上
デジタルマーケティング専門メディア「MarketingCity」を運営するナハトでは、インフルエンサーマーケティングやSNS広告などを中心としたデジタルマーケティング施策において、他社にはない多くの強みを持っています。
弊社独自の強みを活かすことで、ご依頼企業様が求める結果にコミットします。 無料相談を下記フォームから受け付けておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まずはお気軽にお問い合わせください