インフルエンサーマーケティングのデメリット|企業PRの注意点とは
社会に大きな影響力を持つインフルエンサーを起用してPRを行う「インフルエンサーマーケティング」は現代における効果的なマーケティング手法として注目されています。しかし、多くのメリットがある反面で、デメリットやリスクも無視することはできません。
- 「インフルエンサーはステマ騒動が印象的」
- 「炎上するリスクは高いのか?」
- 「本当に効果的なマーケティングができるのか?」
などの、不安や疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
今回は、インフルエンサーマーケティングのデメリットにも注目し、効果的なPRを行うためのポイントや注意点を解説していきます。
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01インフルエンサーマーケティングのデメリットとは?
インフルエンサーマーケティングのデメリットには以下のようなものがあります。
- ステルスマーケティングによる炎上リスクがある
- 炎上を防ぐためには高いリテラシーが必要になる
- インフルエンサーを選定する難易度が非常に高い
- インフルエンサーのマネジメントが必要
それぞれのデメリットについて順番に見ていきましょう。
ステルスマーケティングによる炎上リスクがある
ステルスマーケティング、いわゆる「ステマ」とは、企業が消費者に対してPRする際に、宣伝ということを隠して情報発信をしたり、口コミ情報などを発信することを言います。
多くのユーザーは自分が興味を持つインフルエンサーの投稿を定期的にチェックしているため、好みや意見などに共感を得やすい傾向にあります。これを都合よく利用してPR活動を行なってしまうと、思わぬ炎上を招いてしまう場合があるため注意しなければなりません。
企業からのPR依頼だと明記せずに投稿すると、一時的にユーザーの注目を集められる可能性がありますが、もしそれが企業による指示だと判明した場合、結果的にユーザーを騙すような行為と見なされてしまうことがあります。
ステマによる炎上は、これまでユーザーが企業に対して寄せていた信用を一瞬にして失ってしまう危険性があり、さらに企業だけでなく、発信を行ったインフルエンサーのイメージも損ねてしまうなど様々な悪影響を及ぼすリスクがあります。
一度でもユーザーに不信感を持たれてしまうと、信用を取り戻すまでにかなりの期間を要する場合がほとんどです。
このようなリスクを未然に防ぐために、インフルエンサーマーケティングでは必ずPR表記を行いましょう。事前に投稿ルールを擦り合わせ、投稿内容も確認させてもらうことをおすすめします。
関連記事: ステマの対策方法は?インフルエンサーマーケティングの注意点を紹介
炎上を防ぐためには高いリテラシーが必要になる
インフルエンサーマーケティングでは、ステマ以外にも、モラルを欠いた投稿や不適切な投稿によって炎上することがあります。
例え企業が消費者を楽しませるためのネタとして発言したものだったとしても、不快に感じる人が多ければあっという間にネガティブな情報として広がってしまいます。
拡散力の高さが特徴であるSNSは、多くのユーザーに対して素早く情報発信ができる点では優れているものの、同時に意図しない情報までも拡散されてしまう恐れがあります。 一度インターネット上で発信された情報は次々と拡散されていくため、後になって完全に削除することはほぼ不可能と言えるでしょう。
気軽に投稿できるからこそ、ちょっとした不注意で炎上を招きかねないのがSNSマーケティングの怖い側面でもあるため、導入する際には高いリテラシーが必要になります。
インターネット上に公開された情報は、世界中の人が目にする可能性があることを常に意識して、発言内容や表現内容が行き過ぎていないか、モラルや社会的ルールを尊重しているかを考えた上で、1つ1つの情報発信を丁寧に行うことが大切です。
関連記事: 炎上対策|インフルエンサーマーケティングで失敗しないコツを解説!
インフルエンサーを選定する難易度が非常に高い
SNSを利用するユーザー数の増加により、近年はインフルエンサーとして活動する人が急増しています。
フォロワー数だけでなく、ジャンル、フォロワー層、活動ジャンルは三者三様です。そのため、自社商品のPRに最適なインフルエンサーを見つけることが困難な場合があります。
また、適したインフルエンサーが見つかったとしてもインフルエンサー自身がその依頼を受けてくれるかは分かりません。人気インフルエンサーになればなるほど企業案件のオファーは多くなる傾向にあり、全ての依頼を受けることはできません。 さらに、残念ながら企業を装ってインフルエンサーに対して詐欺を働こうとする悪質な業者も増えているため、インフルエンサーも対応する際にはかなり慎重になっているのが現状です。
このような理由から、企業がインフルエンサーに依頼した際の返信率はわずか3~5パーセントと言われており、相性の良いインフルエンサーがなかなか見つからないといったケースも少なくありません。
企業とインフルエンサーのマッチングが成立して初めて施策を進めていくことができるため、特に自力でインフルエンサーを探す場合には、納得のいくインフルエンサーが見つかるまでに時間がかかる場合があるのがデメリットとなります。
関連記事: 施策が成功するインフルエンサーの選び方は?選定基準・起用方法も解説
インフルエンサーのマネジメントが必要
インフルエンサーという第三者を通して情報発信を行うインフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーの柔軟なマネジメントが必要になります。
企業の戦略に基づいて投稿内容やスケジューリングなどを決めたいという思いはあっても、インフルエンサー自身もセルフブランディングを行いながら発信活動を行っているため、企業の要求を押し付けすぎるのはNGです。
インフルエンサーが普段発信しているスタイルを企業の指示によって大幅に崩してしまうと、両者のイメージに違和感が生まれてしまい逆効果にもなりかねません。そのため、企業とインフルエンサーが持つイメージの両方を損ねないように、インフルエンサーにも裁量を持たせて進めていくことが大切です。
02インフルエンサーマーケティングのメリットは?
インフルエンサーマーケティングのメリットは以下のようなものが考えられます。
- ターゲットを絞りやすい
- PRの目的によって柔軟な対策を展開できる
- 従来の広告よりもユーザーに受け入れられやすい
- 効果分析がしやすいため継続的に施策効果を高められる
- YouTube
- TikTok
- 自社のターゲットに近いフォロワー層を持つインフルエンサーに依頼する
- 依頼するインフルエンサーのブランディングにあった投稿をする
- 広告の規制・規則を守る
- 信頼できる広告代理店に依頼する
ここではそれぞれのメリットについてご紹介していきます。
ターゲットを絞りやすい
インフルエンサーマーケティングは、不特定多数のユーザーに向けて発信される従来の広告と比べて、ターゲットを絞りやすいことがメリットです。起用するインフルエンサーや利用するSNSの種類によって、年代別・男女別・ジャンル別など、細かいターゲティングが可能となります。
また、インフルエンサーが発信する内容は特定のジャンルに特化していることが多く、PRしたい商品やサービスのジャンルに関する発信を日頃から行っているインフルエンサーに依頼することで、狙ったターゲットに情報をスムーズに届けられるようになります。
PRの目的によって柔軟な施策を展開できる
インフルエンサーマーケティングは、SNSをはじめとした様々な形式、媒体でのPRが可能です。
主要SNSとして、以下のような媒体が国内外でよく使われています。
それぞれの媒体ごとに特性があり、相性がいいジャンルも異なります。そのため、PRしたい商品やサービスの特徴を最も伝えられるSNS、 ターゲットとするユーザー層の利用が多いSNS、どのポイントに絞ってSNSを選ぶか、SNSの選び方でより効果的なPRが可能になります。
また、複数のSNSと組み合わせる方法や、従来の広告媒体と合わせて行うことで効果を高めることもできるでしょう。
PRを行う目的や目標に応じて適したSNSを選び、施策を考えることが大切です。
従来の広告よりもユーザーに受け入れられやすい
テレビや新聞、雑誌、ラジオはマスコミ四媒体と呼ばれ、社会に大きな影響を与える広告媒体として昔から利用されています。 また、屋外広告や中吊り広告、近年ではインターネット上のバナー広告やリスティング広告なども従来型の広告として挙げられます。
日常的に目にする機会が多い従来型の広告は、近年は広告への慣れや、興味のない情報によって不快に感じる人が増えています。広告を無意識に無視してしまったり、逆に購買意欲をなくしてしまったりするユーザーも珍しくありません。
しかしインフルエンサーマーケティングの場合、企業の最終的な目的が商品のPRやブランディングであったとしても、それがいかにも広告であるという主張が少ないため、ユーザーに受け入れられやすいのがメリットです。
普段から興味のあるインフルエンサーをフォローしているユーザーは、すでにインフルエンサーに対して親近感を持っている場合が多いことや、フォロワーとの積極的なコミュニケーションによりお互いの距離が近く、自然なアプローチすることができます。
効果分析がしやすいため継続的に施策効果を高められる
従来型広告の多くは不特定多数のユーザーに向けたものが多く、効果の程度を測るのが難しい一方で、インフルエンサーマーケティングにおいては効果測定が簡単にでき、施策の効果分析がしやすいのがメリットです。
SNSの機能や専用ツールを活用することでデータ獲得が容易になり、施策の改善策を見出せるなど、継続的に施策効果を高めることができます。
マーケティングは継続的に成果を出していくことが重要なので、施策の実行、効果分析、問題点の改善といったPDCAを継続的に回し続けることで施策効果を高められるインフルエンサーマーケティングは、企業の成長を後押しする手法として優れていると言えるでしょう。
関連記事: インフルエンサーマーケティングの効果測定|KPIの設定方法も解説
03インフルエンサーマーケティングの成功例3選
実際にインフルエンサーマーケティングに成功した事例を紹介します。
メリット・デメリットをどうコントロールしているのか、ポイントを解説いたしますので参考になれば幸いです。
d’Alba/越智ゆらの
美容家やインフルエンサーから高い評価を得ている韓国のスキンケアブランド「d’Alba(ダルバ)」がYouTubeで実施したインフルエンサーマーケティング事例です。
「d’Alba」がインフルエンサーとして起用したのは、ファッションモデルであり女優の越智ゆらのさんです。
越智ゆらの
普段から商品レビューを行っているインフルエンサーを起用することにより、インフルエンサーマーケティングの強みである自然な訴求力を最大限に活かすことができた事例です。
広告への嫌悪感による離脱率を下げるため、PR訴求を行うタイミングに配慮した作りとなっています。 また、普段から商品レビューを行っているインフルエンサーを起用することにより、インフルエンサーマーケティングの強みである自然な訴求力を最大限に活かすことに成功しています。
森永乳業/エハラ家チャンネル
森永乳業が自社製品であるクラフトフレッシュモッツァレラをPRした事例です。抜擢されたインフルエンサーは、タレントのエハラマサヒロさん一家が活躍するエハラ家チャンネルです。
エハラ家チャンネル
家庭を持つ両親をターゲットとした商品の販売促進キャンペーンに対して、家族系のインフルエンサーを起用することで的確なターゲッティングを行いました。
動画である強みを活かし、キャンペーンの参加方法も分かりやすく訴求されています。
株式会社アイム/塚本いづみ
株式会社アイムが2002年に発売し、現在に至るまで愛され続けるスキンケア商品、「ライスフォース」のPR事例です。
PRを担当するインフルエンサーには、兵庫県出身で2019年度ミス甲南グランプリを受賞した「塚本いづみ」さんが起用されました。
塚本いづみ
動画の中では、本商材以外にも愛用している他アイテムを交えて紹介を行うことで、自然体での訴求を行ったことが特徴です。 ターゲットである10代20代への強い影響力を発揮し、商品の認知拡大・購買促進に成功しました。
04インフルエンサーマーケティングを成功させるためのポイントは?
デメリットを軽減し、メリットを活かしたPRを行うためには何に注意すれば良いのでしょうか?ここでは以下の4つのポイントを紹介します。
どれも重要なポイントですので、しっかりと抑えておきましょう。
インフルエンサーマーケティングの効果を最大限に生かすためには、自社のターゲットに近いフォロワー層を持つインフルエンサーに依頼することが重要です。
自社のターゲット層とインフルエンサーのフォロワー層が一致していると、インフルエンサーが紹介する商品への関心度は高くなり、ターゲットに対して強いアプローチが可能です。
逆に、これらが一致していないと、いくらPRをしてもターゲット層がマッチしていないためユーザーからの反応は薄くなってしまいます。 例えば、フォロワーに男性が多い女性インフルエンサーにコスメのPRを依頼しても全く刺さらず、効果を得ることは難しいでしょう。
インフルエンサーを選ぶ際には、インフルエンサーのフォロワー傾向をしっかりチェックし、自社のターゲットと合致しているかを見極めた上で依頼することが重要です。
依頼するインフルエンサーのブランディングにあった投稿をする
ユーザーは、日頃から自分が興味のあるインフルエンサーの投稿を頻繁にチェックしていることもあり、少しの変化も敏感に感じとります。
そのため、PRの際にインフルエンサーが普段しないような投稿をしてしまうと、フォロワーはその違和感に気づき、不信感を抱かれてしまう原因となります。
企業側の戦略があったとしても、インフルエンサーのスタイルも尊重した上で過度な指示は行わず、投稿内容についてはある程度インフルエンサーに委ねることで自然なPRを発信してくれるでしょう。
広告の規制・規則を守る
インフルエンサーマーケティングを行う場合、広告の規制・規則を守ることは非常に重要です。
特に、薬機法、景品表示法に関する規制は以前よりも厳しくなっており、違反が判明した場合は広告主である企業だけでなく、依頼したインフルエンサーも処罰の対象となる可能性があるため注意が必要です。 現代はインターネットを通じて世界中のユーザーに対して自由に発信できる便利さがある一方、規制や規則に反した情報を公開してしまい、大きなトラブルになるケースも少なくありません。
また、高い成果を求めてわざと曖昧な表現によって消費者を誤解させるような手法や、実際の商品よりもはるかに美化した写真やキャッチコピーを使用することによる誇大広告を実施してしまうと、企業やインフルエンサーの信頼を大きく損なうことになります。
思わぬトラブルにつながることあるため、正しく理解し、必要に応じて専門家に相談するなど万全を期した上で慎重に行う必要があります。
関連記事: インフルエンサーマーケティングの注意点|PR成功に必要なことは?
信頼できる広告代理店に依頼する
インフルエンサーマーケティングは自社で行うことも可能ですが、初めて導入する場合や社内に知見がない場合は、信頼できる広告代理店への依頼がおすすめの方法です。
近年はインフルエンサーマーケティングに特化した広告代理店も増えており、それぞれ得意分野や提供しているサービスに特徴があります。 そのため、代理店を選ぶ際には、インフルエンサーの選定から依頼、マネジメントなどに関するノウハウを持ち、自社にとって最適なディレクションを提案してもらえる広告代理店を選ぶことがおすすめです。
ディレクションの費用は発生してしまいますが、炎上や失敗を避け、効果的なマーケティングを行いたい企業は利用を検討してみましょう。
ただし、悪質な代理店も中には存在するため、過去の実績や口コミなどを調査した上で信頼できる代理店を選びましょう
- まとめ
- 多くのメリットがあるインフルエンサーマーケティングですが、同時にデメリットの存在も考慮した上で施策を進めていくことが、施策を成功させるためのポイントです。
- せっかく良い商品やサービスを持つ企業でも、マーケティング方法を誤ってしまうと適切な成果が得られません。企業の目的や目標を達成するために最適なマーケティング方法を検討し、より効果的なアプローチを行っていきましょう。
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